商連合の“元締め”「真白麻 銭麻 ーましろま ぜにまー」が頭を下げ、今までの非礼を謝罪すると共に、目的の一致によって、るりまの姉弟子探しに商連合が全面協力する事となった。
「ゆうさくさんを襲った人斬りは姉弟子の「あんにゅい」で間違いないかと。性器が切り取られていたのは彼女の蒐集癖のせいです」
この町に復讐の相手がいる…しかしついに近づいたその相手は淫豪流最強最悪の剣士だった。
「それで、その人は「淫豪の書」を探し集めているという訳ですか?」
「いえ、各地で書を探して人を斬っているというのは他の姉弟子の誰かでしょう。あんにゅいは恐らく書に興味はありません」
「厄介な相手ですね…」
黙り込む2人。話を聞いていた商連合の面々も俯く中、谷岡が口を挟む。
「壊し屋、お前復讐のために姉弟子を殺すって言ったな?そいつに、勝てるのか?」
「…わかりません」
あの日、自分の大切なものを奪った姉弟子への復讐心だけに突き動かされて立ち上がったるりまは、彼女達と戦って勝てる勝てないなど考えても無かった。ただ殺してやると、その思いだけ。
しかし道場を出て多くの人に出会い、戦いを重ね、自分の力量を理解した今のるりまには“勝てないかもしれない”、それが分かるようになってしまった。
「でも、やらせてください。私に」
夕刻。その時は突然訪れた。
るりまとまるる。2人は互いに殺気をぶつけながら、橋の真ん中で向かい合っていた。
「るりま…ついに会えたわね」
「あんにゅいより先にあなたに会うなんてね、まるる」
「あんにゅいもこの町にいるのね、探す手間が省けそうだわ」
まるるは懐から4冊の淫豪の書を取り出す。それは復讐の相手である姉弟子のうち3人が既にまるるによって始末されたという証拠だった。
「次はお前だ」
るりまも自分の持つ2冊を取り出してみせる。
「2冊…!」
「残る1冊はあんにゅい…師匠の大切な書は全て私が取り返す。姉弟子だったとはいえ、教えに背き、師を殺したお前に容赦などしない…お覚悟を。」
「奥義は私の物だ…そして、それ以上に私はお前に勝つためにここへ来た!るりま!勝負ッ!!」
「来いッ!まるる!!」
2024-09-24 09:02:00 +0000