光戦隊マスクマン第30話『ママ!バラバの絶叫‼︎』
「バラバと地帝獣が戦ってるわ」
「いったいどうなってんだ?」
異常現象を感知したマスクマンは、現地の山間に急行し、そこで意外な光景に出くわした。
「デビルドグラー、必ずお前を倒して大地帝剣を手に入れるぞ! そして、この俺が地底一の勇者になってやる!」
バラバは果敢に特攻を仕掛けるが、当の地帝獣デビルドグラーはさらりと避けて、腕を薙ぐ。バラバは絶叫を上げて、谷底へ落ちてゆく。
「あああ!」
その光景にマスクマンは愕然とする。
いきなりデビルドグラーがバッと振り向いた。マスクマンに鋭く伸びた爪を向ける。そこから熱量が発生すると、一筋の光線としてマスクマンの足元に炸裂する。
足場も悪いために避けるのが困難だ。
レッドマスクやイエローマスクは咄嗟に岩石を盾とする。身を乗り出しすぎたブルーマスクを、ブラックマスクが力技で抱き伏せる。
「あっ」
ピンクマスクは、足元の岩場が崩れたためにバランスを崩してしまう。
この山は、山間から噴出す硫黄で視界が悪い。その隙間からデビルドグラーが見えた時には手遅れだった。デビルドグラーの爪がさらに高熱を増すと、光線が二十本となり閃光が迸る。
轟音と凄まじい閃光が山中に広がる。
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
体勢を崩してしまったピンクマスクに、デビルドグラーの爪ビームが集中して直撃を受ける。その衝撃はとても女戦士に耐えられるものではなかった。
ピンクマスクはたった一回の攻撃で、強制的な変身解除に陥る。
ドンッ!
モモコの身体は地面に叩きつけられる。息は詰まり、手足が痺れたように動かなくなる。さらに急斜面になっていて、モモコはゴロゴロと転がり落ちて行く。
「あぐぅ」
転落の終着駅にはごつい岩が待っていた。そこへ左脇腹に激突する。左半身から全身に激痛が走り抜ける。痛みに身体を起こすこともできないが、必死に耐える。
「……くっ……デ、デビル……ドグ、ラーて……言っていたわね……。なんて……すごい地帝獣……なの……」」
モモコは呻きながら呟くことしかできなかった。
2024-09-23 15:01:53 +0000