<オリフレ>ドンスコイ・スフィンクス

小蜂 凉平

『チョリーッス。フレンズになったら毛量増えた『ドンスコイ・スフィンクス』で~す。
 基本お家でぬくぬく過ごしてまーす。それにしてもキミちょうどいいときに来たね。
 ボクは今暇を持て余してて、手元には新作のゲームがある、そしてこのゲームは2Pプレイが出来る。
 お?乗り気だね。じゃあさっそく一戦といこうか。あ、言っとくけど一切手加減はしないからね。』
ロシア南西部にあるロストフ・ナ・ドヌー原産のネコ『ドンスコイ・スフィンクス』のオリフレです。
1987年2月ロストフ・ナ・ドヌー市で教育関係の仕事をしていたエレーナ・コヴァレワは職場から家へ帰る途中で袋に入った何かを蹴飛ばしている少年グループに遭遇しました。その何かの入っている袋の中から子猫の鳴き声が聞こえる事に気付いたコヴァレワが少年たちを叱り飛ばし、袋を取り上げて中身を検めると幸いにも子猫は大きな怪我はなく、彼女はこの子猫に『ワルワラ』と名付けて自宅で飼う事にしました。
ワルワラは不遇な体験をしたにもかかわらずコヴァレワや人間に良く懐き健康的に成長していきましたが、背中に出来た小さなハゲが徐々に広がる症状を見せはじめました。
コヴァレワはワルワラを動物病院に連れて行きましたが脱毛の原因は分からず、薄給をつぎ込んで様々な薬や治療を試したもののワルワラの毛はすっかり抜け落ちてしまいました。
しかしヒゲを含む全身の毛が抜けてしまった以外は全く健康なワルワラは1990年2月20日にショートヘアの『ヴァシリ』との間に授かった3匹の子猫を産み落とし、子猫達は全くの無毛若しくはワルワラと同様に成長と共に無毛になる体質を引き継いでいました。
その中の一匹である『チタ』がコヴァレワの知人であるネコブリーダー、イリーナ・ネミィキナに引き取られ本格的な品種化に向けた取り組みが始まり、品種化にあたってこの頃既に名前が知られていた無毛の猫の筆頭である『スフィンクス』にロストフ・ナ・ドヌーがある地域名『ドン』を組み合わせた『ドン・スフィンクス(ロシア語ではドンスコイ・スフィンクス)』の名前が考案され、1997年に国際的な猫品種管理団体であるFIFe、2005年にTICAに登録されました。
ドンスコイ・スフィンクスは人と遊ぶことを好み少々甘えん坊な面がある所や無毛ゆえの寒さや暑さに対する弱さや肌へのケアが必要な点はスフィンクスとよく似ているものの、ドンスコイ・スフィンクスの無毛化する特性は優性遺伝するもので生まれた段階で全くの無毛若しくは成長と共に無毛化し、個体によってはヒゲまで抜ける点が最大の違いとされています。

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2024-09-21 13:43:07 +0000