実は兵庫県は隠れた織物の産地だったりする。
播磨は西脇市周辺で織られる播州織、但馬は養蚕から絹織物、交わる丹波市北部の丹波布。
一度はおいで、あなたの知らない兵庫県。
【播州織】
播磨北東部、西脇市を中心とした地域で織られる綿織物。
播磨の温暖な気候で江戸の頃から育てられている木綿を用いて、加古川に杉原川や野間川が合流する水資源の豊かな西脇の地で糸を染めてから布を織る「先色織物」として発展した。
近現代では世界恐慌や世界大戦、オイルショック、バブルの崩壊など数多くの危機を乗り越え、その高い技術力と魅力を発信し続ける。
【丹波布】
旧氷上郡青垣町(丹波市)を中心とした地域で織られる、綿をメインに絹を用いた混織の織物。
紡いだ糸を藍(紺色)のほか、クリの皮やヤマモモやハンノキの樹皮(茶色)、コブナグサやキクイモ(黄色)を用いて先に染めて布を織る。
一度技術は途絶えるも昭和期に再発見され地元保存会が発足、現在は丹波布伝承館を中心に後世に丹波布を残す活動がなされている。
【但馬縮緬】
旧出石郡の但東町や出石町で織られる絹織物の代表。
かつて隣接する丹後の峰山との人的交流の中でその技術が移入されるとされ、当地の湿潤な風土とも合い農業の副業的な存在として発展した。
近年は需要拡大を目指し、「絹ゆかた」を打ち出している。
なお、同じく但馬に含まれる旧養父郡大屋町は古くから養蚕の盛んな地域であり、上垣守国が書いた『養蚕秘録』は世界の養蚕業における原典の一つとされる。
2024-09-19 15:50:52 +0000