🌺浜辺の物々交換会🌺
原作:井上軟太郎
夕暮れ時の浜辺。オレンジ色に染まった空には、煌煌と星が輝き、波の音だけが静かに響いていた。
砂浜に腰掛け、貝殻を拾っていた少女アオイは、目の前に現れた少年に驚いた。少年は、青い目を輝かせ、にこやかにアオイに話しかけた。
「やあ! 僕、カイト…君、貝殻集めてるの?」
アオイは少し恥ずかしそうに答えた。
「うん…綺麗な貝殻探してるんだ。」
「僕、貝殻より面白いもの持ってるよ! 」
カイトはそう言うと、リュックサックから、不思議な形の石を取り出した。
「これはね…願いを叶えてくれる魔法の石なんだって!」
アオイは目を丸くして、石を見つめた。
「本当に? そんな石があるの?」
「本当だよ! それに、僕には他にも面白いものがあるんだ。」
カイトは、リュックサックから次々と、不思議なものを取り出した。キラキラ光る貝殻、珍しい形の海藻、カラフルな石…
「これ、交換してくれない? 」
カイトは、アオイに石を差し出した。アオイは、カイトの熱意に心を動かされ、自分の持っていた貝殻を交換することにした。
「ありがとう! じゃあ、これはどうかな?」
アオイは、カイトに、自分が拾っていた、特に綺麗な貝殻を差し出した。
「わあ! すごく綺麗だ! ありがとう!」
二人は、交換した喜びに満ち溢れ、お互いに笑顔を見せた。
「他にも、交換したいものない? 」
カイトは、キラキラと目を輝かせながら、そう尋ねた。
「うん! じゃあ…私のアイスと交換して!」
アオイは顔を赤らませながら、カイトに、食べかけのアイスクリームをそっと差し出した。
「いいね! じゃあ、僕も!」
カイトもまた、アオイに持っていた食べかけのソフトクリームをさり気なく差し出した。
「わあ! 美味しそう!」
アオイは、嬉しそうに笑った。
二人は、夕暮れの浜辺で、それぞれの宝物と交換し合い…互いに時間を忘れ楽しんでいた。
「ねえ、カイト…交換って楽しいね!」
アオイは、そう言いながら、カイトに笑顔を見せた。
「うん! 僕もそう思う! 」
カイトも、アオイに笑顔を返した。
二人は、互いに心を繋ぐ宝物を見つけ、友情を育んでいくのであった。
浜辺の夕陽は、二人の笑顔を照らし、二人の未来を輝かせるのであった。
◆あとがき◆
作品「浜辺の物々交換会」について
この物語は、「交換-トレード」を通じて、二人の心が繋がり、友情が育まれる様子を描いています。大切なのは、物そのものではなく、そこに込められた気持ちや思いです。
この作品が、読者の皆様に、笑顔と温かい気持ちをお届けできれば幸いです。
井上軟太郎
🌺浜辺の物々交換会/井上軟太郎【F6キャンバス】🌺 | 🌺南国ファンタジア🌺 #booth_pm #pixivFACTORY https://inouenanntaro.booth.pm/items/6100228
2024-09-15 03:01:02 +0000