【ソバスピ】EVEN/DOUBT【交流】

いぬき

こちら(illust/122195730)より
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「それじゃ…景気良く行きますか!」
手榴弾のピンに手を掛けた時、周囲に5連の短刀、或いは杖のような武器が漂っていることに気付いた。
「それ、さっきから気になってたけど、ロビン・リーフ(ワタシ達)が保管している武器ではないね?一体誰の差し金かな。ジョン・ドゥ」
まるで旧知の友に語り掛けるような優しい声は、あろうことか空から降ってきた。そこに居たのは、先程別れた筈の『お医者さん』の姿だった。
「(なんでバレた…⁉︎)ちょ、ちょっと待ってよお兄さん!」
暸棋は立ち上がり、すぐに手榴弾から手を離して両掌を上げてみせた。
「暴力は良くないなぁ、ほら俺ってどう見ても戦うタイプには見えないだろ?お医者さんなのに抵抗の意思のない人を傷つける気⁉︎」
「なら物騒なモノを置いてこの野営地から立ち去ってくれないかな。ワタシもなるべく穏便に済ませたいんだよ」
「これで穏便だって?こんなに武器を俺に突き付けていながら?」
「穏便じゃないか。ワタシは誰にもキミの存在を通告してないだろ」
『お医者さん』はゆっくりと瞼を開ける。剣呑な沈黙の中に、暸棋が懐から取り出したコインがキンと小さな音を立てた。
「ねぇお兄さん、大事にしたくないなら俺と賭けをしないか。簡単なコインゲームだ。表と裏を当てるだけ。お兄さんが勝ったら俺は何もせずこの場を立ち去ろう、でももし俺が勝ったら、俺の言う事を一つ聞いてもらう」
暸棋の手の甲で硬貨が転がるように移動する。コインロールと呼ばれる遊びだ。『お医者さん』はそれを興味深そうに眺めたのちに言葉を綴る。
「…随分とアンイーブンな条件だなぁ。でも、」
暸棋の周囲を漂う武器が『お医者さん』の背後に収納されたかと思えば、彼は侵入者を見下ろすのをやめて地面に降り立った。
「酔狂は嫌いじゃない。その賭け乗った。ただし条件がある。コインを投げるのはワタシだ。イカサマ防止にね」
「…分かった分かった。仰せのままに」
コインを指で弾けば、彼はシニカルに笑ってそれをキャッチした。
「ヨナだ。キミの名は?」
「ジョン・ドゥだよ。あんたが俺をそう名付けたんだろ?」
「名乗りたくないならそれでも良い。表か裏か賭けたまえ」
「へぇ、投げる前に賭けるのか」
「キミは物陰に隠れたのに見つかったことを不思議がってただろう。ワタシはそういう眼をしてるせいで投げてから宣告するのはイカサマになる」
「成程ね。黙っていれば得をする癖にあんたも随分な酔狂だな。では裏で」
「決まり。ワタシは表」
ヨナが見よう見まねでコインロールをしてから、指先でコインを弾いた。
「ゲームは楽しんだもの勝ちだ。ふふ、ドキドキするね」
リング・フィンガーの紋が掘られたコインが宙を舞う。
さぁ、表が裏か
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お借りしました!
暸棋さん(illust/121349163
イベント終わってるのでお返しを求めるものではないです。構って頂いてありがとうございました!
ヨナ(illust/121372777)

#【ソバスピ】#ロビン・リーフ#【ソバスピ】交流#【ソバスピ】フロントライン衝突

2024-09-14 13:35:38 +0000