この作品は、スピッツの名曲「空も飛べるはず」からインスピレーションを受け、日系二世として生まれた私自身の経験を投影したものです。
極寒の地で生まれた私は、言葉の壁に阻まれ、来日後、周囲とのコミュニケーションに苦労しました。その中で、救いの手を差し伸べてくれたのは、年上の上級生でした。彼から「君は君らしさで良いんだよ」と言われた時、私は涙が止まりませんでした。
彼の何気ないあの一言は、私にとって希望の光となり、自分の殻を破り、新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれました。
この作品は、そんな経験を通して得た大切なメッセージを、二人の少年の姿を通して表現しています。
また、絵画の中心には、二人だけではありません。
二人の少年を取り囲むように、無数の黒い羽根が舞っています。これは、私自身が抱えていた孤独や不安、そして言葉の壁を感じさせます。
しかし、その羽根の中に希望の光を見出すように、二人は共に歩む未来を描き、そして「空も飛べるはず」という強い意志を感じさせます。
この作品は、単なる青春の物語ではなく、言葉や文化を超えて、誰もが抱く心の葛藤と成長を描いた、普遍的なドグマの象徴として捉えて頂けたら幸いです。
井上軟太郎
2024-09-14 12:48:56 +0000