明治30年生まれにしては、気が強くて気高い婦人の名取カヨと、日系アメリカ人で京都の伊達男の小河原勉。
喧嘩といっても、カヨが一方的に怒ったもの。
舞踏会の帰りに車が、バルブの外れによる故障で止まってしまい、幸いにもバルブの修理ができるカヨが修理をする。しかし結婚の話で言い合いになり、怒ったカヨは「懲らしめてやる!」と言い残して、勉を車の外に置いたまま車を走らせて一人で帰ってしまう。
結婚間近のミラー池の花火の日、二人は仲直りして、翌週にカヨの広い家の座敷の広間で結婚の披露目会をする事になる。
カヨは、織物と糸取りの女工で実家の工場で働くとても腕の良い職人だ。彼女は友達のツタキが育てた蚕からとれた繭で、とても上質な絹糸をとっては、美しい反物を作る。彼女の織る生地はどれも唯一無二の生地であり、一つとして同じものはなく、着物も帯も反物もとても上質で高価なものであった。
2024-09-13 23:15:33 +0000