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所変わって南フランス。
作戦時に保護した女の子を、軍はあいや翼を治療した病院に入院させていた。( illust/119820127 )ひどい状況だったこともあり、治療を進めていたのだが、数日前に意識が戻ったため、マリアは状況を確認するべく病室に向かう。
コンコンコン⋯
?「はーい」
ガチャ(入口ドアを開ける)
マリア「⋯マーヤ、具合はどう?」
(途中から読む人のためのマリアについて(まとめ): illust/116888811 )
マーヤ「やっと起き上がれるようになったわ、マリー」
診察が終わったばかりのようで、担当の女医さんが部屋から出ていく。彼女は病院着を直していた。
マリアはベッドの脇にある椅子に座る。ベッドには、保護した赤毛の女の子⋯名前をマーヤという⋯が腰掛けていた(この子: illust/121589933 )。
マリア「それは良かったわ。お医者さんからも、あと数日すれば回復するだろうって」
マーヤ「どうして男の人って、乱暴するのかしら、まだヒリヒリするわ」
マリア「⋯女の扱いに慣れてないんだと思うわよ。まぁ、その前になんだと思われてるのかわからないけどね、今取調中だから」
北アフリカでの戦いのあと( illust/119705278 )。
CT-01Veの働きにより、全ての敵勢力は捕えられ、傭兵として雇われていた人間、下っ端の影響力の少ない勢力は現地警察・軍部に、幹部クラスはそのままフランスへ移送され取調べが進んでいた。捕えられていた女性たち( illust/119792812 )も、健康状態を確認し現地病院に収容されたのだが、唯一マーヤだけは目を覚まさないほどの重症だったため、家族の同意を得て軍司令官が連れ帰り入院させたのだった。
マーヤ「お父さんやお母さんは⋯?」
ベッド脇に座り、水をコップに注ぐマリアにマーヤは尋ねる。
マリア「私からお話しておいたわ。娘さん、無事に意識を取り戻しましたが、回復まではまだしばらくかかりますのでお預かりしますって。よろしくお願いしますって言ってたわよ、お父さん」
マーヤ「お母さんは?」
マリア「⋯電話越しだったけど泣いてた。無事で良かったって」
マーヤ「そかぁ⋯」
マリアは水を手渡すと、マーヤは一気飲みをしサイドテーブルにコップを置く。⋯これなら近いうちに回復しそうだな、マリアは安堵した。
マーヤ「ところでマリーって何歳なの、他の軍人さんよりすっごく若いように見えるけど」
マリア「⋯今年もうすぐ21になるわ。無理も無いわよ、気が付いたら『ここ』に属してたからね」
マーヤ「私ね、大きくなったらこっち(フランス)に来たいの。でも、どうやったらこっちで生活出来るのか分からなくて⋯。マリー、あなたのことも教えてほしいな」
マリア「大分参考にならないと思うわよ⋯?」
時間もあるし、かいつまんで話そうか、マリアは軍に入った経緯をマーヤに伝える(参考、ピエールとの出会い: illust/116769059 )。
マーヤ「⋯娼館て⋯エッチしてお金稼いでたんだ!?」
マリア「両親、いなくなっちゃったしね( illust/115682558 )。ただオススメはしないよ、あなただって、ひどいことされたから入院してるわけだし、何より私と違うのは、御家族がいらっしゃるんだから」
マーヤ「まぁ⋯そうなんだけどさ。両親、私がアルジェを出るのを嫌がってて、出るならお金の援助はしないぞとまで言われてるんだもん」
マリア「そりゃまあ⋯そうだと思うわよ」
マーヤ「⋯でも、今回とりあえず南フランスへ来れたからいいんだ。マリー、もう少し回復したらさ、街中を少し歩いてみたい」
マリア「ま、リハビリがてらね。とにかく今は身体を回復しなきゃね」
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2024-09-10 13:47:49 +0000