ある日の午前、早渚家の台所。涙目の玄葉がわなわなしながら何か作業をしていました。
「玄葉、何してるの?土いじり?」
「料理!」
すっごいピリピリしています。しかし、料理・・・?
「桜一文字さんがお昼にうちに来るの。コロッケパーティーしようって言ってくれて、だから私も作ってて・・・ぐすっ」
・・・と、いう事は。玄葉がさっきからいじっている漆黒の物体はコロッケだという事でしょうか。何だ この 醜い姿は・・・コロッケの姿か?これが・・・。
「お兄!その絶望的な顔やめて!」
「いやだってそれどう見ても石炭でしょ・・・」
よく見ると、揚げる前の状態のコロッケもまだありました。そっちは見た目上は普通のコロッケと変わりありません。
「今度こそうまくやる・・・!」
玄葉が煮えたぎる油にコロッケを入れると、瞬く間に炭化し、結晶化して石炭じみた外見になりました。何が起きたのか全く分かりませんでした。ここはギャグ漫画の世界かと思ったくらいです。
「う~~~!」
玄葉が頭を抱えてしまいました。試しに私がコロッケを油に入れてみると、普通にきつね色に揚がりました。おいしそうです。
「ナチュラルに煽るな!」
ひどい言われようです。しかし、玄葉に料理をさせて来なかった事がまさかこんな事態を引き起こすとは・・・。私は天を仰ぎました。
「あのね・・・!一応、形はまともなのもあるから!」
そう言った玄葉が掲げたのはシルエットだけコロッケのダークマターでした。目も当てられません。私は玄葉に諭すように告げました。
「玄葉、食べ物を粗末にするのはいけない事だから、私が残りのコロッケは揚げるね。そして、桜一文字さんには私が揚げた分をお出しするから、玄葉はその真っ黒になっちゃったコロッケを全部責任もって食べるように」
「鬼ぃ!お兄の鬼ぃ!」
オニオニ言われてもこれは譲れません。こんな地獄コロッケとでも呼ぶべき特級呪物は人様にお出しできるわけがない。
「ほら、この一番形がいいのはお兄にあげるから!」
「玄葉、お兄ちゃん怒るよ」
「・・・ごめんなさい」
その後、やってきた桜一文字さんが玄葉のコロッケを見た感想は、
「ウルトラこんがり焼けましたー!って奴ですか・・・?」
という致命的な言及を避けるような言い回しのものでした。
三人でコロッケを囲みながら、今度玄葉に料理を教えてあげようと私は心に決めました。
※『AIピクターズ』サイト内で生成した作品です。AIピクターズ作品ページ→https://www.aipictors.com/works/452158/
2024-09-06 20:26:14 +0000