暗中連行

うーら
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「――ッ!?」
ダンジョンを一人で探索中、わたしは突如としてスケルトンの大群に包囲された。
前からも後ろからも、通路を埋め尽くすような数のスケルトンがわたしをめがけて殺到してくる。退路を断たれたわたしは抵抗むなしくスケルトンの群れに押し込まれた。硬く冷たい骨の手が四方八方からわたしを押さえつけ身動きが取れなくなる。

ダメだ。もう、終わりだ――最期の時を悟って、わたしはぎゅっと目を閉じた。

心臓を貫かれるのか、それとも喉をかき切られるのか――差し迫る死の予感に身体がガクガクと震える。
けれど、覚悟したような最期の時はなかなか訪れようとはしなかった。

「……?」
なにをしているんだろう? や、やるなら早く――緊張に耐えかねて閉じていた目を開こうとした、その時。

不意に、目元になにかが触れた。柔らかくて幅広なそれはわたしの目元を広く覆いそのまま素早く後頭部に巻きつけられる。引き絞られ、顔に強固に密着するのがわかる。キンッ、と頭の後ろで金属がかみ合うような音が響いた。

「な、なにをして――!?」
慌てて目を開く。でも、なにも見えない。頭が混乱する。どこに顔を向けてもなにもわからない。まぶた越しに感じていたわずかな光さえ感じることができない。目を開いているはずなのに、わたしの世界は完全な暗闇だった。

え、なに――め、目隠しをされたの?

さらに、手首のあたりになにかをはめられた。両手が連結されたようになって思うように動かせない――手枷をされた?

「やめて! これを外してっ!」
怖い――! 手が使えないのもそうだけど、なによりも目隠しでなにも見えないのが一番怖い!
ブンブンと頭を大きく左右に振るう。どうにか目隠しを振り落とせないかと――でも、まるで無駄だった。目隠しはわたしの顔に、頭部にしっかりと固定されていて外れるような気配は微塵もない。

わたしを取り囲むスケルトンたちが一斉に歯を打ち鳴らした。カタカタとそれは、まるで嘲笑のようだった。スケルトンに感情などない――はずなのに。

骨の手が伸びてわたしを床から無理やりに立ち上がらせた。意図を測りかねていると、背中を軽く小突かれる。歩け――というのだろうか?

「ね、ねえ、逃げないから、だから、目隠しだけでも外して」
返事はなかった。もとより、スケルトンは話したりできないけど――目隠しを外したりはしてくれず、代わりにまた背中を押された。

「うぅ、わかったから――あ、歩けばいいんでしょう?」
恐る恐る、一歩踏み出す。怖い――目隠しでなにも見えなくされて、手枷までされて、周りはスケルトンだらけ――それで、わたしは――これからどこに連れていかれるの? いったいなにをされるの?

脳裏に浮かぶのは刑場へと連行される囚人の姿。人間というものは視界を塞がれるとおとなしくなる。だから、処刑される者はたいてい、目隠しをされる――そう、以前に聞いたことがある。
でも、違う――おとなしくなるんじゃない、動けなくなるんだ。視界が闇に閉ざされるとどうしようもなく怖くて、心が恐怖に支配されてガタガタ震えてなにもできなくなってしまうんだ。

怖い――怖い――! 涙が溢れて目元が濡れるのを感じる。膝が震えて力が入らない。怯えた心臓が壊れたように跳ねていまにも口から飛び出てきそう。

スケルトンの群れに連行されて、なにも見えない暗闇の中を、どこともわからない場所を歩き続ける。

イヤだ――こんなのイヤだよ――
ああ、誰か――誰か助けて――

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2024-09-06 01:46:32 +0000