相思相愛

井上軟太郎

夕焼けに染まる街、少年カイと少女ミユは自転車で並んで走っていた。二人は幼いころからの親友で、やがて互いに秘かな想いを寄せるようになっていた。

ある夏の日、ミユは思い切って告白を決意した。星空が広がる公園で、二人はいつものように語り合っていた。

「カイ、この空を見てると、何だか勇気が湧いてくる」とミユが静かに口を開いた。

カイは優しい笑顔で「僕も同じだよ」と答えたが、その言葉の裏にはドキドキとした心音が響いていた。

一瞬の沈黙の後、ミユは想いを口にした。「カイ、ずっと前から…ずっと好きだった。」

驚いたカイは、ようやく自分の気持ちにも正直になり、「僕も、ミユが大好きだよ」と答えた。心が通い合うその瞬間、二人の間にあった不安が溶け去った。

それからの日々、二人はお互いの時間を大切に過ごし、さらに絆を深めていった。しかし、彼らには切ない別れの時が近づいていた。ミユが遠くの学校へ進学することが決まっていたのだ。

出発の日、カイはミユを見送るために駅へ向かった。涙を堪えながら、ミユは小さな声で「また、この場所で会おうね」と約束を交わした。

列車が動き出すと、カイは力強く手を振った。青春の淡い想い出として、心の中にその日を刻み込みながら。

その後、二人は手紙で連絡を取り合い、星空を見るたびにお互いを思い出し続けた。いつかまた巡り会える日を信じて、それぞれの夢を追い続ける日々が始まった。

井上軟太郎

https://booth.pm/ja/items/6075857

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2024-09-05 13:10:04 +0000