✌︎('ω')✌︎ぴすぴす!
以前焦熱の海辺の感想を上げた時にセイカの事をあんまり書いてなかったのと、時々思い出して書くメモが散らかってきたので自分用の備忘録としてここのキャプションにまとめておきます。個人の感想だけで知識系の小ネタは無いので読まなくてOKなやつです。
DLC発売から一年以上経ってるので大丈夫だと思いますがネタバレなので読む場合はご注意ください。
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冒頭の出会いのシーンで「それは…フォーカス!えっ!?」でハモって見つめ合うシーンがばちばちにお互い恋に落ちる描写だったので、はぐれゼニスを探しにきたはずが本題はこっちかよガハハになったのが良かったですね。二人とも明らかに相手の様子を窺う以上の興味を無意識に引かれて注目している。これで最初に「こういう話です」って提示してくれたおかげでこちらのパートは全編安心して楽しめました。俺は最初お互い反発で最終的にくっつく結末だと場合によっては相手役より恋を応援してくれた脇役キャラとそのままくっつけよ主人公!ってなったりする事があるんだワハハ。※実際の本題はロンドラとホルスです。
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本編とは違うDLCの面白さってアーロイが途中参加の余所者な所かなと思っていて、オーリアがシアンを取り戻すためにアラタークと対峙する時、セイカが妹を取り戻すためフォーカスを使って敵地に乗り込む時、それぞれの起承転結の転で突破口になるための装置だったりトリックスターとしてアーロイが登場する。でも焦熱をセイカの物語として見るとフォーカスを盗んだ瞬間が彼女の変化や成長のクライマックスだと思うので、見どころを見逃している気がしてちょっと残念です。
隣組の密告制度みたいなのがあるくらい規律の固い国でさらに規則の厳しいであろう海軍所属なのでセイカにとってフォーカスを取る決断自体に大きなアイデンティティの喪失があったんじゃないか、例えが物騒かつわかりづらくて申し訳ないんですけど、100人乗った飛行機が雪山に墜落した、20人生き残ったが5人死んだ、物資も資源も無いなか残りの15人を生かすために死体の肉を切り取って食う決断をした最初の人、みたいな深刻さ。プレイヤーである自分からしたらフォーカスへの神聖視や忌避感もないし部族の掟による心的制約もないのでそれくらい大丈夫じゃない?って思いそうになるけど、クエンの中だとド真ん中のタブーなのでセイカがフォーカスを付けている時点でもう彼女は異質な存在になっていて、異質っていうのは“罪人”というより“呪いを受けた者”的な印象というか、アルヴァが正規の手順でフォーカスを授かっての預言者・巫女・神官の立場だと思うと余計にそのような感覚になる。オカルトっぽい解釈ですが、ともかく、恐らくそこはセイカ本人が一番強く自覚してるように見えます。
加えて集落内でセイカを非難する人が少なかったり「セイカがうまくやってくれるといいな」くらいの雰囲気がある一方で、同行するほど積極的に手を貸してくれる人もいないあたり彼女に何らかの処分があったとしたらそれは「仕方がないから従わないと」な流れになってしまいそうで、セイカ自身も状況が改善してロンドラを倒した後ですら「自分の処分がどうなるかわからない」と強く不安がっていたところにノラの閉鎖性やバヌークの頑固みたいにクエン特有の諦念みたいなものがありそうだなと思います。セイカをはじめ個々人はそうではないのだけど集団の性質としてどうという話で、セイカが理解のある提督に対してであっても気を張って強い態度が滲んでいたのは焦燥感だけじゃなくてこれらの怯えがあり、提督も全部わかっててでも任せるしかなく胃が痛そう。今後アルヴァと合流すればこの部分は大幅に改善できそうなんですけどね。
一人でも頑張るタフネスと同時に助けたい人たちを助けるためその人たちの信仰に泥をかける選択をする矛盾と絶望。セイカは外見のデザインをして正面から見ると戦士って感じの格好ですが背中の蝶の羽のようなマントが弱さや儚さを想起させるし実際そういう不安や怯えを含んだ会話をするシーンにはしっかり後ろ姿を入れているのが印象深いです。船に乗せてもらって集落に着くまでの間にセイカのことを「同世代の同性でフォーカスの事もわかる親密な友人がいたらアーロイにとってもいいだろうな、ヴァーラは友人になる前に死んじゃったしイクリーとはいい友人関係だけどタイミングがな」程度に考えていたんですがそんな呑気な話ではありませんでしたってわけ。とにかく遭難生活が長引いてみんな疲れ果ててるんだよ、船団の果てじゃなくてお疲れの果てだよ、フゥ。
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上記を踏まえるとセイカ的にはどう転んでも“今までの自分”の喪失が確定してる状態なので“部族や掟ではなく人との心の結びつきが故郷だ”と提示してくれたアーロイの考え方はセイカにとって素敵で心強かったと思います。今この時に心が結びついていたはずの人たちごと失っている人に対して「私みたいに部族外にいつかそういう人たちができるよ」なんて他人事みたいな慰め方をあの時点のアーロイがするとは思えないので、やはり意味合いとして「セイカには私がいるよ、拠点のみんながしてくれたように自分がセイカにそれを提示できるかもよ?」と水を向けているわけで、言葉の上ではセイカから告白していますが気持ちの歩み寄りはアーロイの方が先に見えました。私は冒頭のシーンから恋愛の文脈で読みましたが心を分かち合うような関係性や惹かれ合いは必ずしも恋愛的なものだけではないし、大切なのはアーロイが使命を離れた個人的な場面でもって“自分のエゴで自分の人生の一部分を他人に引き受けてもらう”経験をする事だと感じましたので、どの選択肢であってもあの時点で拠点に誘わないし来ないあたり本当にただお互いの気持ちの確認作業でしかなかったんだなというのがあのシーンの良さだと思っています。
あとセイカの「そばにいたいのは〜」の言い回しが海外作品で見たことあるやつで、「わたしの心は今誰某とともにあるのであなたの気持ちには応えられません」とか物理的に離れる時に「俺の心はいつもお前と一緒だ」とか心や魂がそばにあるみたいなセリフをちらほら見た記憶があってこれ進⚪︎ゼミでやったやつだ!?って無駄に盛り上がりました。
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セイカに関しては今の所こんな感じの感想です。ざっと検索してみてもロマンスを起点に賛否が分かれるようですが、私がZDの頃からHorizonという話の背骨だと感じる部分が開発が提供する物語の展開の仕方から外れておらずそれはロマンスの内容によらないので私の感想においては賛否で評価する事柄ではないようです。あえて今書けるとしたらホルスのせいで容量に制限があるから最初にロマンスを提示して順当に出会協力喧嘩共感解決告白で書かれてるけど、もし最初のフックが足りなかった人がいたら後の演出が弱いというかスピード感が“小説を読んでるはずが所々台本のト書きを読んでるみたい”な印象になるかも?でもテコ入れのイベントを入れるスペースがないからこそ冒頭あれだけバチバチさせたんだし、う〜ん発生するロマンスイベントがただのスタンプラリーにならないように何に気をつけてシナリオを書くかってことかな、難しいですね。
2024-09-02 06:29:45 +0000