深夜のコンビニの帰り、クラスメートの思川とバッタリ出会った。
買った缶コーヒーがあったから、思川に一つあげて、道路の脇で飲みながら話をした。
「夜が好き」
彼女はそう言った。
「どうして?」
僕は質問する。
「お日様は、照らす人もいれば照らさない人もいる。でも夜は平等に闇を与えてくれるから」
彼女はそう答えた。
ちょっと哲学的で、回答の意味はわからないけれど…。
思川は、孤高の人だ。
誰とも喋らず、誰とも群れない。
成績は、トップクラス。
今、僕とこうして話をしていることが奇跡みたいなことだった。
いくつか話をしたら、コーヒーを飲みを終えたようだ。
「コーヒーありがとね」
と僕に言った。
寂しそうな彼女の横顔。歩き出す彼女に、
「じゃあ明日、教室で!」
僕はそう言って彼女を見送った。
ちらりとこちらを振り返った彼女の顔は少しだけ微笑んでいるように見えた。end
2024-09-01 19:06:07 +0000