「私の名前は『キバシガラス』だ。よろしく頼むぞ!
普段は高山地帯の見回りに同行している事が多い。
誰も寄せ付けない様な険しい山並みも私にとっては家や庭の様なものだからな!はっはっは…
ん?何だね君、随分しんどそうな様子だが・・・「空気が薄い」だと?
何を事を言っているんだ?この辺の空気は何時もこんな…あ!おい!しっかりしろ!ここで寝たら死ぬぞ!おい!」
北アフリカからチベットにかけての高山地帯に生息しているカラスの仲間『キバシガラス』のオリフレです。
名前の通りの黄色い嘴を持つカラスで険しい岩肌を巣やねぐらを置く拠点に、麓の牧草地や草原、ガレ場の様な開けた場所を餌場として生活している雑食性の鳥ですが、餌の乏しい冬場はスキー場や農村からでるゴミや食べ残しを漁る事も多いようです。
そして何よりキバシガラスは木や草の生えない所謂「樹木限界」を超えた地域を生活圏にしているストイックな鳥であり、繁殖地もスイス・アルプス山脈で最高3800m、モロッコ・アトラス山脈で最高3900mという場所にある上に、エベレスト山の8200m越えの地域で餌を探している個体が確認された記録があります。
それ故に過酷な山風の中を自在に飛び回る高い機動性、高山特有の低気圧による水分の喪失を防ぐために少なくなった毛穴等の高山仕様に進化した身体構造、非常食として食べ切れない餌を岩の割れ目などに詰め込んで苔や小石で覆って取っておいたり、時には1000羽近くにも及ぶ数の個体で群れを形成する高い知能をもつことが確認されており、一部の繁殖地で局所的に姿を消したとされることがあるものの世界的には絶滅の危険の少ない低危険種とされています。
2024-08-24 17:26:55 +0000