「妖精になりたいの?」
森の奥までやって来た少女が妖精になりたいと願ってきた。
「妖精になることは出来るけど、あまりお勧め出来ないわ」
私は、少女を見つめた。夢見がかった瞳は、何かの影響で、そんな思いを募らせたのかも~。
「私も30年前は人間で、あなたみたいに妖精に憧れてここまでやって来たわ、でも妖精になっちゃうと暇だし、やることないし、第一お話しする機会なんてほとんどないから孤独よ、あなたは耐えられる?」
少女は夢見るような生活が出来るだろうと考えていたみたい。おずおずと帰って行った。
少女に言ったは本当のこと。
でも私は…。
ぐだぐだ享楽的な生活を続けて、その結果、借金が山のように膨れ上がって、挙げ句の果て、借金取りに追われて命を擦り減らす生活よりかは、妖精の生活の方がはるかに呑気でいいと今でも思っている。おしまい
(妖精になった理由があまりにもリアル過ぎてちょっと引いてしまうお話しでした)
2024-08-21 22:59:07 +0000