What if imperial Germany and Austria-Hungary were restored?
ヴェルサイユ体制とワシントン体制への不満が大きな禍根となり、世界秩序を打ち崩してしまうことは、1929年の大恐慌以来誰しもが予想できたことだった。不景気に対する対策によって各国はある程度の回復を見せたが、不安と憎悪が根づいた国民感情や軍縮に反発する軍人、イデオロギーに染められた思想家や国益の維持を願う政治家など、様々な思惑が高揚するきっかけともなった。ミュンヘン一揆によって党首ヒトラー以下多くの幹部が死亡し、瓦解してしまったナチ党に代わり、ドイツ国内の右派勢力をまとめ上げた帝政復古派は、1933年総選挙で勝利しカイザー、ヴィルヘルム2世の帰国すらも成功させた。影響を受けたハンガリーとオーストリアも再び合邦し、欧州はヴェルサイユ以前に戻りつつある。過去のロマンと栄光が忘れられない中道帝国、世界革命を推し進める社会主義者、窮地に立たされる自由主義国、暴れ続けるファシスト。世界はもう一度「戦争の世紀」を迎えることになる。
2024-08-16 16:51:34 +0000