古籠火(ころうか)

monster

鳥山石燕の『画図百鬼夜行』に描かれた妖怪で、解説には【それ火に陰火・陽火・鬼火さまざまありとぞ。わけて古戦場には汗血ののこりて鬼火となり、あやしきかたちをあらはすよしを聞はべれども、いまだ灯籠の火の怪をなすことをきかずと、夢の中におもひぬ】とある。

石燕は灯籠の火が怪異をなすことは聞いたことがないと言いながら、妖怪としての灯籠を描いている。

山田野理夫の『東北怪談の旅』では昔、上之山藩松平家の田村誠一郎という武士が古屋敷に移り住むことになって、その屋敷を掃除して夕飯の膳についていると、庭の古灯籠が急に光るので、家中の者が驚いた。
近くの老人は「それは古籠火という妖怪だろう」とのことで、古灯籠は自ら精気を発し、夜になると人もいないのに、人のいる気配を感じさせたり、ぼんやりと灯籠に光を宿すとある。

参考文献

画水木しげる 編著村上健司『日本妖怪大事典』

水木しげる『決定版日本妖怪大全妖怪・あの世・神様』

#youkai#古籠火#画図百鬼夜行

2024-08-16 10:03:38 +0000