「お兄ちゃん、これ、食べる?」

なるみや

今日は記念日だ。
なぜなら俺が同級生に告ってフラレた日だからだ。(クソッ!)

ピ~ヒョロ、タンタン。

夕方、自分の部屋でクサっていると、窓の外からお囃子が聞こえてきた。

(そういや今日はお祭りか…)

バンッ!

「お兄ちゃん、お祭り行こっ!」
「うおっ!」

勢いよく(ノックくらいしろっ!)入ってきた妹は浴衣に着替えていた。この間母親に買ってもらったものだ。

「どうよ、お兄ちゃん。妹の浴衣姿は。ソソるだろぅ?」

オレの眼の前でくるりと一回りした妹はドヤ顔で言ってきた。
どこからそういう言葉を覚えてきたんだか…。今のクサっているオレと違って別の意味で妹は腐っているので、多分そこからの影響だろう。
妹はこうと決めたら意見を絶対に変えないタイプだから有無を言わさずオレを連れて行く気だ。
あまり気は進まなかったが気分転換に行くことにした。

「お兄ちゃん大丈夫?」
「ん…あぁ、大丈夫だよ…」

妹は出店で食べ物をひとしきり買い漁ると、意気揚々と学校でのことを一方的に語りだしたが、俺の返事に生気がないことに気づいた妹が聞き返してきた。

「…お兄ちゃん、これ、食べる?」

しばらく俺の目を見ていた妹が自分用に買ったリンゴ飴を俺に差し出してきた。
コイツはそういうところがある。
なんというか、普段ガサツなくせに妙なところで繊細さがあるというか…。

心配そうな顔をしてそう訪ねてくる妹。
あんまり妹を心配させてもなぁ。
ここで気分切り替えよっと。
がんばれ、オレ!

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2024-08-11 02:44:30 +0000