illust/120237518←前
夫を喪ってから、息子のラウルスは私によくくっついてくる様になった。以前からよく触れ合ってはいたけれど、最近は殆ど常に一緒に居る。寂しいの?と訊いたら、『うん。あと、ママもすごく寂しそうだから』と言って私の胸に顔を埋めた。
お父さんに似て、とても優しい子。昔、大柄過ぎて誰も近寄らなかった私に、手を差し伸べてくれたあの人。私の寂しさを癒してくれた、唯一の男性。やっぱり、あの人と私の子ね。
夫が居なくなると、街の男性達が私に寄り付いてくる様になった。でも、その眼はいやらしくギラついていて、偉大な戦士だった夫の遺産が目当てなのがすぐに解る。あんな浅ましい人達とくっつくくらいなら、私は…
2024-08-04 05:49:00 +0000