老婆の家を発ち、そこから続いている道は人(マン)オークのスヴィン族がすむ村トレパーニに続いており、そこで熊野は一晩の宿をとることにする。 しかし、村に入ると陰鬱な空気が漂っており、村の入り口近くでスヴィンの一団が何かについて話していた。
熊野が近づき聞き耳を立てると彼らは夜の間に暗殺者と思しき者に殺された友人の話をしており、それとなく会話に混ざり、この村の陰鬱な空気を知った。
村の族長の娘が略奪者の一団に攫われ、凶悪なケイブ・デーモンの生贄に捧げられたとの話で古の予言によれば族長の家系が途絶えると恐るべき災いが村を襲うということだ。しかも、族長の娘がただ一人の後継者なのだ。
熊野はスヴィンたちとこれまでの旅や途中出会ったモンスターの話をしているとスヴィンたちは熊野が勇敢な冒険者と知り、興味を抱くと同時にじ~っと熊野を見つめてぼそぼそ話し込む。
(…私何か変なこと言ったかしら…というかこちらを見る視線がかなりヤバいような…)
そう思った瞬間、突然一人の村人が熊野にとびかかりついで二人目の村人も加わり彼女を取り押さえる。
「ちょっ、な、なにをするんですの!?」
そうしている間に一人が村の中心に走り、熊野はそのまま村人たちに村はずれの小屋に連行されて行った。
村人たちは熊野を小屋に放り込むと扉に鍵をかける。
「いきなりなんなんですの!?ここを開けなさい!!」
扉を叩いて叫ぶものの、扉はびくともせず、扉の外には誰もいないのか静まり返っていた。
しばらく脱出する方法を考えたり逃げ出せそうな場所を探すが見つからない。
「まったく…レディをこんなところに閉じ込めて放置するなんてありえませんわ!」
どかっとその場に座り込むとバッグを開けて食糧を取り出してやけ食いを始める熊野。(保存食1個消費)
そしてこれまでの旅の疲れも手伝い、そのまま眠りに落ちてしまうのであった。
2024-07-21 13:28:07 +0000