“生きて”
未来を願う言葉を残して、リルはぼくの腕の中で瞳を閉じた。
抱いた体が弛緩し、少しづつ体温が失われてゆく。……何回も、何十回も経験した感覚に、息が詰まる。
「い、いや、やだ……リル……!」
起こそうと揺さぶっても、名前を呼んでも、もう小さな瞳が開く事はない。分かっているはずなのに、奇跡を祈って声を上げる。
『もう死んでいますよ?』
『さぁ、立ち上がって』
『感傷に浸るなど、あなたには必要ないでしょう』
いつだかママに言われた言葉が、頭の中に響く。
——やめて、わかってる、わかってるよ、ママ
——でも、でも、リルは、ぼくのせいで
「……、ゔ、ぁ……ぁあ……!!」
今すぐにでも自分の首を捻り折りたい衝動に駆られる。でも、出来ない。
……生きてと、祈られた。願われてしまった。死ねない理由が、もう、沢山出来てしまった。
「ゔ、ぐ……!あぁあああ……!!」
ごめん。ごめんなさい。もう届かない謝罪の言葉を物言わぬリルに言い続ける。
ビキ、ピシリと、涙の出ない光の体は、代わりに幾重にもヒビが入る。
——このまま、いっそ砂になる程砕けてしまえばいいのに。
願いと祈りを受けてもなお死を求める自分の心から目を背けるように、ぼくはリルの体を強く抱きしめた。
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孫【illust/115707370】、心折れる。
こちら【novel/22532630】でリル君の死を目の当たりにして、自身の罪と背負った願いで揺れ動いています。
リル君を抱いて離さず、嗚咽を漏らしているものの、花【illust/119782889 】を使い光る体になったせいなのか、瞳からは涙は出ず、代わりに体がひび割れていってます。ちょっと衝撃を加えるだけで簡単に砕け散るでしょう。
声を掛けてもほぼ反応は無く、触れられて体が砕けても痛がったりしないものの、リル君に触れようとする、あるいは奪おうとすると烈火の如く怒り狂い襲いかかってきます。
爺いは変わらず側に居ます。同陣営並びに顔を知ってる相手なら警戒はしませんが、ガラルア陣営には容赦無く攻撃を行ってくるのでご注意を。
最後に、ここまでお付き合いいただいたカラスさんに多大なる感謝と、リル君に哀悼の意を捧げます。本当にありがとうございました……!
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お借りした展開
従花の散花【novel/22532630】
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お借りしました!
リル君【illust/116559094】
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企画元【user/5804799】
2024-07-10 11:08:26 +0000