6月更新

生良〈感想がほしい
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できませんでした!生良です

今年こそ月1ペースで投稿すると息巻いてた三姉妹シリーズ、ちょうど半分の6月分で途切れちゃいましたすみませぬ…
今月2枚投稿で挽回するようがんばるのだワ!
以下、新キャラ登場のアーリーデイズ~

冥長「よし、状況終了!撤収よ」
天使の軍勢を退け、義妹達全員の無事を確認した冥土長レヴィ。安堵の声と共に皆に撤収の命令をくだす
冥長「さ、リリエ様のもとへ帰りましょう。殿は私が務めるわね」
そう言って、ひと足先に隊の皆を帰す。手際よく撤収を進める義妹達を見送り、ひといきついた冥長は
冥長「さて、と…今は私ひとりよ。そろそろ出てきたらどう?」
と、背後の無人のはずの空間に呟きかける
すると、彼女の背後に伸びる影が突如形を変え、みるみるうちに大きな人型を形づくると
闇騎「ふふふ…さすがは『金色の死神』レヴィ。私の存在に気づいていたとは…」
と、真っ黒だった影の目がギラリと光り、漆黒の甲冑姿のデジモンがあらわれた
冥長「私をご存じのようで…そちらは何者かしら?」
静かに臨戦態勢をとり、相手の正体を探る冥長に、
闇騎「そう身構えないでくれ…私はダークナイトモン。なに、ただの貴族さ」
悠々と名乗る闇騎。そんな相手に冥長は
冥長「そう。レディーを物陰からのぞき見るなんて、貴族殿はずいぶんと良いご趣味をお持ちで」
と涼しげながらも辛辣な言葉を返す
闇騎「ははは、これは手厳しい。レディーへの非礼は詫びよう」
その言葉に、とくに怒る様子も焦ることもなく答える闇騎士。さらに、
闇騎「こうして私がキミをたずねたのは他でもない。キミをスカウトしに来たのだよ」
と理由を話す
冥長「スカウト、ですって…?」
その言葉を訝しげに聞き返す冥長。闇騎は
闇騎「今日改めてその戦いぶりを見させてもらったが、実に素晴らしい!類い稀なる戦闘力と、非常に優れた統率力。本来群れることを嫌うレディーデビモン達を大勢従える圧倒的カリスマ性…私はキミのような人材を探していた!」
と、大仰な態度で告げる。それに対し冥長は
冥長「それで?私たちレディーデビモン隊を、魔王リリエ様の元から引き抜きたい、と?」
と冷やかにたずねる
闇騎「いや、私が欲しいのはキミだけだ。他の有象無象に興味はないよ」
と、当然のように答える。すると冥長は
冥長「話にならないわね。私がリリエ様以外の主に仕えることはありえないし、何より私の自慢の義妹達を悪く言う輩を許す気はないわ」
と、そう答えた。わずかながら怒気を込めて
そんな彼女に闇騎は
闇騎「やれやれ、理解に苦しむな…キミほどの実力者が、なぜそんなお荷物ばかり背負い込もうとするのか」
ため息まじりに呟いた
冥長「なんですって…?」
途端に、冥長の態度から、先ほどの冷やかさや余裕が消えた
闇騎「だってそうだろう?力ある者はその力を最大限活かせる環境に身を置くべきだ。しかし、キミはその力を色物揃いの連中を守るために消費し、挙げ句の果てにあんな腑抜けの情けない魔王の下で腐らせて…もったいない話だろう?」
そんな彼女に、さらに言葉を投げかける闇騎。冥長は
冥長「黙れ!貴様ごときがよくも私の義妹達を侮辱し、あまつさえ我が主への冒涜…!絶対に許さない…ッ!!」
と、殺気を込めた目を向ける
闇騎「やれやれ、そこまで頑なとは…仕方ない。本当の力を教えるためにも、少し遊んであげようか」
そんな冥長の様子に呆れながら、こちらも臨戦態勢をとる闇騎
冥長「数々の暴挙…データの海で後悔するがいいッ!!」
叫び声とともに、冥長が鋭い殺気で斬りかかった

闇騎「…ふむ、今日は単なる挨拶だ。このあたりでやめておこうか」
しばらく後。そこには全身傷だらけの冥長と、いくらか傷ついてはいるものの余裕の笑みをたたえた闇騎の姿があった
闇騎「しかしやはりキミは素晴らしい逸材だ。必ず私のものにしたいものだね…また会おう」
その言葉とともに、マントを翻すとまるで闇に溶け込むように姿を消す闇騎。残された冥長は
冥長「逃げた?いえ、見逃してくれたってところかしら…」
完全に相手が立ち去ったことを確認し呟いた
恐ろしい相手だった。もし、闇騎が本気を出していたら、さすがの冥長でも危なかった
冥長「ずいぶんと時間をとられたわね…私も早く皆と合流、しなきゃ…」
そう呟きながら、言葉とは裏腹にその場に倒れ込んでしまう
天使達と一戦交えた後の一騎打ち。もはや彼女に残された力はほとんどなかった
冥長「いけない。皆のところへ…リリエ様のもとへ帰らなきゃ…」
そう言って、体を引きずるように這って進む冥長。自分はまだ、ここで死ぬわけには行かない
長女の、あの優しい魔王の願いを叶えるために。可愛い義妹達のために…
冥長「いや、違うわね…」
しかし、冥長は自らの考えを否定した
冥長「リリエ様には義妹達がいる。他にも、味方は着々と増えている…もう、私なしでも」
もう、自分がいなくても穴を埋める者はいるはず。一騎当千の副将の役目は終わっている
冥長「レディーデビモン隊の皆だって。私なんていなくても、あの娘達だけでうまくやっていけるはずよ…」
そう、もう自分はいなくても、皆大丈夫。頼れる義姉様の役目も…
冥長「そう。だから…」
だから、ここで終わっても誰も困らないはず。もう誰も不幸にはならないはず。でも…
冥長「あ~あ。できればもう一度だけ、あの方のあの顔を見たかったなぁ…」
まるで夏のひまわりのように元気に。まるで春の日向のように暖かく。まるで全てを包み込んで癒す海のように深く。微笑む、たったひとりの主の笑顔を
冥長「ごめんなさい。私はどうやら、ここまでです…リリエ様…」
そう呟き、ゆっくりと瞼を閉じる冥長

??「…ヴィ!…レヴィ!」
名を呼ばれた冥長が再び両目を開くと、そこには彼女の顔があった
両目いっぱいに涙を浮かべた、長女の顔が
長女「よかった!気がついたのね!?」
そう言いながら、副官をギュッと強く抱きしめ、無事を確認する長女
一瞬、状況を理解できずにいた冥長は我に帰ると
冥長「リリエ様!?なぜこんなところに貴女が!?」
と困惑した様子でたずねる
長女「レディーデビモン隊の皆から、貴女とはぐれたって聞いて飛んできたの!」
そんな彼女に答える長女。すると冥長は
冥長「私なんかのために、大将がこんな前線まで出て来るなんて…なにやってるんですか」
と、力なく返すも
長女「貴女こそ、バカ言わないで!こんなところで貴女を喪うわけにいかないわよ!!皆私の大事な家族なんだから!!」
と、長女に泣きながら叱られてしまう。冥長を抱きしめる腕は、微かに震えていた
冥長「(そうか…そうだった。私が本当に守りたいのは、この方の心…この優しくて、とても暖かい心…)」
そんな長女の言葉に、冥長はハッとした様子で
冥長「そうでした…ごめんなさい。ご心配おかけしました」
と謝り、こちらもギュッとその震える身体を愛おしそうに、抱きしめ返した
冥長「(でも、本当に守られていたのは…私の方だった…)」

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2024-07-01 15:37:49 +0000