「ったく、人多いし道も混んでんだからあんまちょろちょろすんなよ。」
「もう~、あたし子供じゃないよ!」
いつも通り痴話喧嘩を繰り広げる名物カップルのやり取り。
子供扱いされて口では怒っていながらも、ラブの顔は幸せと暖かな微笑に満ちていた。
自分の荷物をさり気なく持ってくれて、さり気なく肩に手を掛け人混みの喧騒から自分の身を守ってくれて。
ぶっきらぼうなようでいつも自分の事を一番に考えてくれている。
のぞみやなぎさのお相手とは全くかけ離れた「不器用だけど、等身大な自分が曝け出せる世界で唯一無二の大輔(ひと)」。
最も当の大輔は最近同じく先輩、後輩プリキュアと付き合ってる男性グループ(少々やんちゃ気質や癖あるグループ)の中では「品田や誠司、奏太みたいにもうちょっと素直にならねえとな。もっとアイツ(ラブ)の喜ぶことかか、嬉しいことしてやんねーと」と吐露や「イーラさんやキリヤさんみたいには俺は戦えない…。でも、例え力が無くてもアイツの支えになりたい、アイツの傍でどんなちっぽけな形でも良い、力になりたいんすよ!大切な人を守るための覚悟ってどうしたらいいんでしょうか?」と真剣な表情で相談しているのをウェスター経由でせつなから聞いた。
チガウヨ、アナタダカライイノ。ソノママノアナタラシサガワタシヲツツンデクレル、ワタシヲワタシラシクシテクレル。
伝説の戦士としての成長と貫禄と経験と後継を得ても、いつも自分の中に生まれる弱さや怯えがあった。
せつなや美希、祈里と云うかけがえの無い戦友たちとは違う「力と心と安らぎ」をくれる人。
桃園ラブと云うガサツでおっちょこちょいな自分を支え、時に喧嘩や遊びが出来るアナタが隣に居てくれるいるから、わたしはわたしらしくいれる。
世界で唯一人「自分に生涯夢中で推しになってくれる一番で世界で唯一無二の自分だけの一番」の傍らでラブは小さく、そして何物にも代えがたい幸せを感じていた。
2024-06-25 11:20:14 +0000