『キキキキ…私は『モスマン』。何のフレンズかって?
さあ~てねぇ…鳥か?宇宙人か?はたまた呪われた魔物か?
まあ私が私である事は間違いないし正直どうでもいい。
今の私の関心は『ムーンシャイン』にある。
おや、ムーンシャインが何か知らない?キキキ…その方が良い。
何しろこれは禁忌の御業が生み出す代物だからな…』
※ムーンシャイン:夜闇に紛れて製造作業をしていた事に因む『密造酒』を意味する米英語のスラング。
モスマンの故郷ウェストバージニア州が南北戦争後、僻地ゆえに密造酒生産の中心地になった
アパラチア地域にある事に因んだネタ
米国・ウェストバージニア州を代表する未確認生物『モスマン』のオリフレです。
1966年11月15日ウェストバージニア州ポイント・プレザントの北、第二次大戦中に爆薬や砲弾の生産を終戦まで行っていたウェストバージニア兵器廠があった事から地元民から『TNTエリア』と呼ばれている地域を1台の車に乗り込んで夜間のドライブを楽しんでいた2組の若夫婦が道の傍らに『目が赤く光る翼を持った大きな黒い生き物』と遭遇しました。
この謎の生き物は金切り声をあげながら一同の乗った車をポイント・プレザントの街中に逃げ込むまで執拗に追いかけたとされ、彼らが警察に助けを求めて駆け込んだ事で現地の新聞に怪事件として紹介され話題になりました。
その後もポイント・プレザントの周辺でこの怪生物の目撃証言が相次ぎ、1967年12月15日にポイント・プレザントとオハイオ川を挟んだ対岸にあるオハイオ州ガリポリスとを結ぶ吊り橋『ポイント・プレザント橋(地元民からはシルバー橋と呼ばれていた)』が部品の疲労を原因とする倒壊事故を起こし46名の犠牲者を出した際にも橋の近くで目撃されたと噂されています。
この怪生物は当初鳥の様な翼を持つことから『バード(鳥)』と呼ばれていましたが、地元新聞が人気コミック『バットマン』に登場する蛾をモチーフにした悪役『キラーモス』のイメージに影響されたのか『モスマン(蛾人間)』として取り上げ、それを当時の超常現象研究家アイヴァン・サンダーソンが自著で紹介した事で世界的にモスマンとして認知されるようになったとされています。
モスマンの正体について一番現実的な物は『ワシの様な大型猛禽類や渡り途中の大型のサギといった大型の鳥を暗がりで見間違えた』という物で目が赤く見えたのも単なる『赤目現象』であるとするものですが、オカルト好きの間では『宇宙から来たエイリアン説』や『TNTエリアにある米軍の秘密研究所から逃げ出した生体兵器説』、『入植者との戦いに敗れた先住民であるショウニー族の呪詛によって生まれた魔物説』等様々な憶測が飛び交っています。
尤もその正体が何であれ現在ポイント・プレザントの住人はモスマンを地元のシンボルと見なしており2002年から9月の第3週末に町おこしとして『モスマン・フェスティバル』を開催している他、2005年には『モスマン博物館&研究センター』が開設されており、今後もモスマンに惹かれる人々は絶えないと思われます。
2024-06-22 13:01:54 +0000