ーIsn't it good Norwegian wood?ー
男が女を誘った。女も男を誘っていた。女は部屋を見せて言った。
「いい感じでしょう?ノルウェー産の木よ」
女はぎこちなく部屋を動き回った。てきとうにかけてと言ったが、椅子はなかった。男はラグマットに腰を下ろした。女がワインを持ってきて夜中まで話した。
ワインが回り、自分は吸血鬼だと男が言った。男は女に襲いかかった。女は笑って「私もよ」 と言った。二人はベッドで慰めあった。
午前二時、女が言った。
「棺桶に入る時間よ。吸血鬼さん」
男は這うように浴室へ行った。男は狭い浴槽で眠りについた。
次の晩、男が目を覚ますと女はいなかった。男は火をつけた。
「いい燃えっぷりだね。ノルウェーの木造は」
女は森を抜けて笑った。
「これだからやめられないわ。知らない部屋に知らない男を連れ込むのは」
女は火をつけた。
「いい燃えっぷりじゃない?ノルウェーの森」
2024-06-16 17:35:30 +0000