【DA】海没都市へ

蒼月 紅水晶

【メイド喫茶】〈Mermaid〉での一件から数日後、ロネルとセノーアはとある博物館からの依頼で海に沈んだ都市にあるという美術品を手に入れてくることになった。
大昔の人が心を込めて作った絵画や工芸品などが海中に沈んだままというのはしのびないという思いから、ロネルはそれらの品々を回収し丁寧に修繕・大切に保管してくれるところに引き取ってもらうという目的でトレジャーハンターとなった。依頼の内容によっては宝飾品や当時の貨幣・財宝なども一緒に回収することがあるが当然海賊ロケットブースターも狙ってくることがあり、エネミーウォッシュにも襲われる可能性もあるので警戒をしながら航行していた。

ロネル「今のところはロブスター団もウォッシュも索敵の範囲内にはいないけど、偽装している可能性は考えられるし気を付けないと。セノーア、そっちはどう?」

現在は比較的安全ということもあってダイブアーケロンの傍で泳いでいるセノーアも異常を感じず大丈夫とロネルに合図を送った。しばらく進んでいると目的地である海没都市の姿が見えてきた。かつては多くの人物が住んでいたであろう建造物は倒壊、あるいは崩れ去っていてその表面には様々なものが堆積しサンゴや海藻などが育ち、小魚が住みかとしていた。

セノーア「・・・あっ、シーフェアリーがいるの! ちょっとお話をしてくる!」

ロ「ここのシーフェアリーたちは倒壊した建物を利用して集落を形成しているんだ。隠れる場所は多いし、近くに食べ物が取れる場所もあるからあの子たちにはいい住みかなのかも」

ロネルはセノーアたちの会話に耳を傾ける。ロネルがセノーアにポリスで使われる言語を教えているように、セノーアはロネルにシーフェアリーたちの言語を教わっていたのだ。まだ完璧に覚えたわけではないので全て理解できるわけではないのだが、こまごまとした単語は聞き取れていた。

セ「お待たせ~探している美術品をこの先で見たっていうの聞いたの。後、目的地から少し距離があるけどカズラマルの落とし物も見かけたって話も聞けたからそっちも回収できると思うの」

実は今回ロネルたちは別の依頼も受けていた。カズラマルというデーライト・ポリスで生活している鬼族の少年が大切にしているおもちゃがトラブルで海に投げ出され海流に流されてしまったのだそうだ。ロネルの仕事を潮の噂で聞きつけ、なけなしのお小遣いでおもちゃを見つけ出してほしいと頼んできたのだ。

ロ「海流に乗ってこっちまで来ていたんだ。もっと違う海域まで探しに行くつもりだったから一緒に回収できそうでよかった」

シーフェアリーたちに礼を言い、ロネルたちは海没都市の奥へと進む。万が一に備えセノーアもダイブアーケロンに乗り込んだ。

ロ「そういえば、セノーアが住んでいた集落のシーフェアリーの仲間はこっちに来ていたの?」

セ「ううん、聞いてみたけど誰も知らないって言われたの。スーシア、リィン、ベルンベルン・・・他のみんなも無事だといいんだけど」

ロ「行方不明、といえばスィピカさんも救難信号を出した機体だけを残して姿を消してしまっているんだよね・・・泳ぐか流されるかでこっちまできているとは思えないけど念のため探してみよう」

今回はロネル達のトレジャーハントをしている際のお話です。
本編が始まるとおそらくトレジャーハンターとして活動することは難しくなってくると思うので、今のうちに普段はこんなことをしているよと描写してみたかったんです。
また、ロネルはスィピカさんが海賊のところにいることは当然ながら全く知らないので彼のことも探しているという感じです。

キャプションにてお借りしました
スィピカさんとスーシアさん(illust/119365953)

自分の
ダイブアーケロン(illust/119237260)
セノーア(illust/119236335)
ロネル(illust/119235721)

何か問題がありましたらご報告ください。

#ダイバーアクアリウム

2024-06-09 12:37:03 +0000