緊張のピークに達したホルダーズの大会決勝戦。ジャスティス清志とリム生徒会長がカードバトルを繰り広げていた。観客席は熱狂し、その熱気が会場全体を包んでいた。
リム生徒会長は、冷静に相手を見つめながらカードを選び取った。彼女の手にはホルダーズの中でも最強の一つ、「ビンゾコ魔人」のカードが握られていた。
「ビンゾコ魔人、召喚!」リムは堂々とカードをテーブルに置いた。
巨大な瓶底メガネをかけた恐ろしい姿のビンゾコ魔人が現れ、その威圧感に観客はどよめいた。
一方、ジャスティス清志はリムの姿を見つめていた。彼はリムの幼馴染で、小学3年生の時まで仲良く遊んでいたが、清志の引っ越しで離れ離れになっていた。高校に入学してから再会したが、リムは清志のことを覚えていなかった。
「りむしゃんは本当に強いジャス。でも、ジャスキシも負けないジャス。」清志は決意の表情でカードを引いた。
清志が手にしていたのは、子供時代にリムからもらった「瓶底オジサン」のカードだった。このカードはホルダーズの中でも最弱とされるが、清志にとっては大切な思い出の象徴だった。
「瓶底オジサン召喚ジャス!」清志は勇気を振り絞ってカードを出した。
リムは驚愕した。自分が幼馴染に贈った父親にそっくりなカードが清志の手にあることに気づいたのだ。
「どうしてそのカードを持っているの?清志君、あなた……」
「りむしゃん覚えていないれすか?ジャスキシたち、小学生の時に遊んでたジャス。このカードはその時に君がくれたれす。」
リムの目に一瞬、懐かしさと戸惑いが交錯した。しかし、すぐに表情を引き締めた。
「そう……でも、このカードは戦いには使えない。ビンゾコ魔人の一撃で終わりよ。」
ビンゾコ魔人は、瓶底オジサンに向かって強力な光線を放った。リムは勝利を確信していた。しかし、その時、清志は祖父からもらった「真実のカード」を発動した。
「真実のカード発動ジャス!」清志は高らかに宣言した。
真実のカードは、世界に一枚しか存在しないレジェンド級のカードであり、相手のカードに隠された真実を暴く力を持つ。そのカードが発動すると、ビンゾコ魔人と瓶底オジサンの間に奇妙な光が差し込んだ。
「何が起こるの!?」リムは目を見開いた。
すると、ビンゾコ魔人の巨大な瓶底メガネが実は瓶の蓋であることが明らかになり、ビンゾコ魔人は恥ずかしさに耐えられず爆発して消滅した。一方、瓶底オジサンは自身の眼鏡が実はクロブチであることに気づき、喜んで踊り出した。
しかし、それだけではなかった。奇妙な光がリムと清志の間にも差し込んだ。リムの目の前に、小学校の時の記憶が鮮明に甦った。清志と一緒に遊んだ日々、笑い合った瞬間、そして彼が引っ越していった日のことが次々と浮かび上がってきた。
「清志君……あなた、本当にあのジャス君なの?」リムは呆然とした表情で問いかけた。
清志は静かに頷いた。「そうれす、りむしゃん。ジャスキシたちの友情はずっと続いているジャス。」
リムの目には涙が浮かんだ。「ごめんなさい、清志君。あなたのことを忘れてしまっていたなんて……」
清志は優しく微笑んだ。「大丈夫れす、りむしゃん。ジャスキシたちはまた会えたジャス。それが大事なんだジャス。」
観客席からは信じられないという声や笑い声が聞こえた。リムは呆然とした表情で清志を見たが、その目には再び希望の光が灯っていた。清志はリムの前に歩み寄り、静かに言った。
「りむしゃん、ジャスキシはこの勝負を通じて君に伝えたかったことがあるジャス。ジャスキシたちは幼馴染で、ずっと友達だったジャス。その絆は今も変わらないれす。」
リムは少しの間、黙って清志を見つめた後、微笑んだ。「友達……そうね、それなら嬉しいわ。私も友達になりたいわ。」
二人は互いに手を差し伸ばし、握手を交わした。会場中からは拍手と歓声が湧き上がります。ジャスティス清志とリム生徒会長の友情は、ホルダーズの世界に新たな伝説を刻むことになった。
2024-06-03 11:02:30 +0000