morning.(漫画129話)

すぺ
Go back

やっぱ転がり続けなきゃかんのだが。ギター民である以上は。そーゆーことなんだが。きっと。ベッドの上でテレキャスターをつま弾きながら、あすかは呟いた。夜遅いのでアンプを通していないのは勿論、上手くミュートもかけている。◆◆
歩みを留めずに、歩き続けなさい。変化を止めては駄目なのよ。と、美里は言いたいのだ。と思った。3週前の美里の突然の言葉の意味をずっと考え続けていたのだけれど、それが真意な気がする。確かに、ここ1、2年のあすかの生活はあまり変化がないように思う。そこへきてソフィの「Bitter Mocha」春卒業が決まり否応なしに環境が変わる事に対して、実はちょっと萎縮というか尻込みしている自分に気付いていた。このかけがえのない「Bitter Mocha」の時間が終わってしまう、変わってしまう、終わりたくない、もしも永遠に「今」がループしたなら…。まるで、卒業間近の高校生だ。そんなあすかの無意識を美里は見抜いて「Bitter Mocha」のリーダーを譲る、と言ったのだ。本当に、とんでもない勘の良さと采配スキルだ。ロックは嫌い。ジャズよ。と常々公言している美里だが、その生き様が、ロックだと思う。本人は不本意だろうけれども。あすかにとっては、そんな美里と、眠れる黒魔神龍・一眞(あすか命名)の2人こそが師匠であり、ロックそのものなのだ。―――そういえば、と、テレキャスタ―を掻き鳴らす手を止めた。何故、あすかは美里がそこまでロックを毛嫌いするのかを知らない。この「風見鶏」のリフだって何度そう言われた事か…。――なんでそんなゴリゴリで無粋なギターリフ練習してんの?そんなの弾けるようになっても、ウチじゃあどーしょーもないわよ。やめなさい。あすか。クビにするわよ?◆◆
けど、姐さん。なんでって、推しギタリストのギターはマスターしたくなるに決まっとるがね!それだけで十分だが??
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆次回の第130話は、7/7(日)に更新の予定です。

#manga#original#music#instrument#guitar#girl#love#everyday life

2024-06-01 14:00:44 +0000