『俺は『ドン』。
方々を気まぐれに散策しながら時々セルリアン退治をするのが日課だ。
あ?『一緒に戦いたい』だと?面白い事を言う奴だなお前は…
別についてくるのは構わないが正直お前が俺の強行軍について来られるとは思えん。
途中でバテてもそのまま置き去りにしていくから覚悟しておけ。』
ロシア・ドン川流域原産の馬『ドン(ドン・ホース)』のオリフレです。
この馬の出自にはドン川流域を拠点とした軍事共同体『ドン・コサック』が大きく関わっており、
初期のドン(オールド・ドン)は13世紀におきたモンゴル軍のヨーロッパ侵攻の過程で持ち込まれたモンゴル系の馬に
ドン・コサックがトルコやペルシャとの闘いの中で戦利品として持ち帰ったアラブ等の中東系の馬を掛け合わせる事によってコサック好みの理想の軍馬として作り出されました。
オールド・ドンは高い機動性と持久力で知られており、ナポレオンによるロシア侵攻の際にはその特性を生かしたフランス軍の後方への遊撃戦が大きな戦果を挙げる一因になったとも言われています。
19世紀に更なる改良としてサラブレッドやオルロフ・トロッター等との交配が行われ、オールド・ドンの優れた特性を引き継ぎながらもより体格に恵まれた馬として軍民双方から人気のある品種になりました。
第一次世界大戦とロシア内戦により多くのドンが失われる事になりますが、内戦終結後ソ連政府はその再生産に尽力し、集中生産によって頭数回復に成功します。
第二次世界大戦後に騎兵用軍馬の需要が無くなった後もドンは乗馬や馬術競技、カートレース等のスポーツ分野に活躍の場を得る事で今日に至るまでその血筋を繋ぐことに成功しており、未だに人気の衰えない伝説の品種とも言えるかもしれません。
2024-06-01 12:57:19 +0000