オックスアース社が研究開発する試作GUND-ARM、ルブリスの装備バリエーション案の一つ。社内コードは『L/FSWS78α』で、"FAL"とはエンジニアチームで用いられた愛称である。
ガンドの軍事利用は人道倫理に反するとして圧力を強めるMS開発評議会との武力衝突を想定し、同社では実戦的な装備プランを秘密裏に模索しており、本装備もその中で検討された案の一つである。
装甲、火器、推進器の追加によってルブリスの性能を底上げするとともに、対艦・対MS部隊・対アンチドートに対処可能な"決戦仕様"として草案がまとめられた。
開発に際し最も重視されたのは「ガンビットの搭載と運用を妨げないこと」であり、多数の増加装甲で武装された本体前面とは異なり、バックパックは概ねルブリス本来の装備のまま変更されていない。また右腕にメガビームランチャーを装備した事から、レシーバーガンは左手に持ち替えて運用される。これら仕様によって「ガンビットライフル」及び「ビットオンフォーム」も従来通り運用可能となっている。
バックパックのサーベルラックは大出力ビーム砲と連装ミサイルキャリアに換装の上、両手に火器を携行するルブリスは、まさに全身これ兵器といった威容を誇る。新たな火器と装甲によって増加した自重は、追加配置した補助推進器の出力で賄われている。
ヴァナディース機関にも伏せる形で、オックスアース社単独での兵装の開発生産が行われたものの、進行中に同機関代表カルド・ナボに計画が露見。その逆鱗に触れた事から制式配備には至らず、お蔵入りとなった。
ドミニコス隊との衝突も想定し、アンチドート対策装備の開発も同時並行で進めるも難航。実装が叶わなかった事から戦闘中のビットの無力化も避けられず、そもそもFALが実戦運用に足る性能に至っていたか、現在では疑問符が付く。
この開発で得られたノウハウは、ヴァナディース事変後に再編された新生オックスアースにも引き継がれ、同社製ガンダムとその装備の開発に活かされたという。
2024-05-29 11:11:50 +0000