重巡勇者熊野で巡るソーサリーの旅~シャムタンティ丘陵⑬

栗坊主

丘をいくつか下ったところで休息のために立ち止まった熊野。
傍にあった岩に腰を下ろして道の先を確認すると、道を下った先に三つの丘に囲まれた大きな村~それもこの辺りでは一番大きな村が見える。
急速に日が落ち始めたのでその村に向かって道を下る熊野の額に頭上の木の枝がかすめたとおもいきや、耳元で騒がしい鳴き声がした。
ふと見ると、肩のところに小さな生き物…緑色の肌をして子供のような姿をした小さな生き物が浮かんでいた。
それが背中の透明な羽で飛び回ると、親しげに熊野の肩に降りて座った。
「僕はミニマイトのジャン、よろしくね、旅のお姉さん!この先に見えるのはこのシャムタンティ丘陵で一番大きな村ビリタンテイさ。
ここの村人たちはよその人たちに親切でね、このあたりの旅人はみんなあの村で一泊していくんだ。ただし、その分料金は高めだけどね」
自己紹介を交えながら前方に見える村の事を説明するジャン。
「そうなんですの…どちらにしてもあの村で一泊していったほうが良いみたいですわね…あ、私、神戸生まれのお洒落な重巡、最上型重巡洋艦の4番艦熊野と言いますわ」
「コーベ…?じゅ…じゅうじゅん?もがみ…がた???」
聞いたことない言葉に明らかに脳内がバグってるジャン。
「まあ、熊野って呼んでいただければだいじょうぶですわ、ところであなた…いわゆる、妖精さん?私が鎮守府でみた妖精さんたちとはちょっと違うみたいですけれど…?」
「ち…ちんじゅ…ふ? う、まあちょっと違うけど妖精…フェアリーたちとは近縁種、ってところかなぁ…ところで、村に急がなくてもいいの?もうすぐ日没だよ?で、僕もお姉さんの旅に同行してもいい?」
「えぇ?あなたを!?…まぁ、一人旅も寂しいし、話し相手がいるのは悪くはありませんわね…ただし、安全は保障でき兼ねましてよ?」
「うん、大丈夫!お姉さん…いや、熊野の邪魔はしないから!」
そして、二人は日の暮れかかった道をビリタンティの村へと急ぐのであった。

#Kancolle#熊野(艦隊これくしょん)#bikini armor#ファイティングファンタジー#ソーサリー#艦これ×ファンタジー#シャムタンティ丘陵#魔法使いの丘

2024-05-26 12:23:25 +0000