ケピ帽が存続したら?の一考察

楚星蘭三
Preview Images1/42/43/44/4

*派生。 illust/119071819
旧日本陸軍では当初フランス陸軍に倣った軍服が導入され、制帽も円筒形のいわゆるケピ帽(正面が若干低くなったもの)が採用されます。このタイプは、礼装としては終戦時まで用いられますが、周知のとおり、常装・野戦服においてはドイツないしイギリスに近いいわゆる官帽に取って代わられます。

そこで今回は、明治末年~終戦までの日本陸軍で、低視認化の処理をほどこされたケピ帽が引き続き使用された状況を想像してみました。思考実験のパターンとしては既投稿のうち illust/43379831 あるいは illust/65405528 の1・2枚目に通じるものがありますが、今回は、制帽以外は実在した歴代の軍服を踏襲しています。

その結果ですが、1枚目の明治45年式~昭五式の場合、もともと襟章・肩章がフランス式に近い分、ほぼ違和感ない気がします(見慣れない感は残りますが)。制帽の線は、胴体中央部の尉官・佐官・将官を表す線のみ金色が残り、他は兵科色になるとしました。
2枚目は、昭和18年(1943)制式のいわゆる「三式」に合わせてみたもの。折襟+襟に階級章の軍服にケピ帽という組み合わせは、同時代の軍服で言うとオーストリア、ノルウェーあるいはラトビアあたりに近い印象があります(余談ながら、3国とも大戦前後に一時的にせよ占領・併合されてしまうという…)この「三式」では、士官は襟章に加えて袖章でも階級を表わすようになりますが、これもある意味フランス軍っぽい発想で、ケピ帽との組み合わせも案外違和感ないかも。なお制帽の線はこの段階ではすべて低視認化され、袖線と同じダークグリーンになっています。

3・4枚目は上記2枚とは逆の設定で、戦後の自衛隊に儀仗隊を設置するにあたり、旧陸軍の官帽のいかめしさを和らげるため、フラットなケピ帽を取り入れた、というもの。より長い尺度で見れば、結果として明治初年への原点回帰でもあったわけです。既投稿では illust/62220235 の一連とも言えます。
カラーリングは「ブルーグレー+赤」、「オフホワイトあるいはベージュ+ワインレッド」の2パターン考えてみました。季節による使い分けも出来そうですが、ただ描いといてなんですが、4枚目は「ホテルのドアマンが小銃を持ってどうしたんだ⁉」感がぬぐえませんな(苦笑)。

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2024-05-20 09:16:03 +0000