誕生日艦紹介#16 軽巡洋艦「長良」

時雨光
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本日4月25日誕生日の艦艇は軽巡洋艦「長良」です。それでは解説に移っていきます。

軽巡洋艦 「長良」
「長良」は1917年「天龍型」を超越する強力な巡洋艦を造るべく『八四艦隊計画』に盛り込み。そこでいわゆる5500t級と言われる分類の中の「球磨型」の建造が決定します。
そして同時に、続く「長良型」の前半3隻。「長良」「五十鈴」「名取」の建造も合わせて決定されました、残りの後半3隻「由良」「鬼怒」「阿武隈」については予算が『八六艦隊計画』が割り当てられました。後半3隻の建造自体は『八四艦隊計画』で既に決まってましたがその予算が割り当てられたのが『八六艦隊計画』でした。
「球磨型」との違いは多数ありますが、大規模改修後はあまり見分けがつかなくなっています。艦橋の大きさや形が見分ける数少ない方法となりました。大きな違いとしては「長良型」は魚雷発射管が53.3㎝連想魚雷発射管から61㎝連装魚雷発射管と大型化に伴いより強力な雷撃が出来るようになりました。ですが門数は連装発射管4基8門のままだったようです。
そこから月日は経ち。大東亜戦争開戦の少し前に大規模改修を終えて滑走台がカタパルトの開発により廃止とそれに伴う格納庫の空いた部分に司令塔を設け。旗艦としてより活動が出来るように改修されました。
また魚雷発射管の換装こそはしなかったものの改造し酸素魚雷を発射出来るようにしていたようです。
他にも対空能力をあげるため。機銃の増設など。様々な改修がされています。
とは言うても「長良」は太平洋戦争開戦時ですでに艦齢19年。
「球磨型」と同じく、かなりの老齢でした。

それでは戦歴の方に移っていきましょう
太平洋戦争開戦直後の『フィリピン侵攻』では、第四急襲艦隊旗艦を務め、見事この作戦を成功。
『ケンダリー攻略作戦』中の1942年1月25日には現地で「初春」と衝突して修理のために一時的にダバオへ退避しますが、1週間半で戻ってきました。
2月3月と度々「長良」は潜水艦の襲撃を受けましたが、これらは全て回避しています。
6月5日の『ミッドウェー海戦』では、第十戦隊旗艦として第一航空艦隊に所属し、航空機から脱出して海上に浮かんでいる乗員を助ける、いわゆるとんぼ釣りを行いました。
旗艦「赤城」をはじめ4隻の正規空母を失ったあとは、第一航空艦隊の旗艦を臨時で務め、「長良」は本土へ帰投します。
その後も休む間もなく『第二次ソロモン海戦』『第三次ソロモン海戦』へ突入。
引き続き第十戦隊旗艦を努め、空母の護衛や夜戦の指揮などで奮闘。
米アトランタ級軽巡洋艦 「アトランタ」に損傷を負わせ、米マハン級駆逐艦 「プレストン」を沈めるなど、『第三次ソロモン海戦』では劣勢の中戦果を挙げています。

やがて「阿賀野」が竣工すると、11月10日に「長良」は第十戦隊旗艦の座を「阿賀野」へ譲り、今度はさらに前線での任務が増える第四水雷戦隊旗艦を拝命します。
しかし1943年7月に『クラ湾夜戦』で第三水雷戦隊司令部が、『コロンバンガラ島沖海戦』で第二水雷戦隊司令部が相次いで全滅してしまいます。
そのため、海軍は7月20日に急遽第四水雷戦隊を解体。
二水戦と四水戦を合体させて新しい第二水雷戦隊を編成します。
この再編によって「長良」は、「能代」が登場するまでの1ヶ月強だけですが二水戦旗艦を務めました。
「能代」が二水戦の旗艦に就任した後は、「長良」は第四艦隊旗艦となり、まだまだ司令塔として海原を駆け巡ります。

11月11日は第十戦隊旗艦を継いでいた「阿賀野」が『ラバウル空襲』と米ガトー級潜水艦 「スキャンプ」の雷撃によって大破したため、翌12日に「長良」がこれを曳航。
「阿賀野」はトラック島へ避難することに成功しますが、しかし応急処置を受けた後の1944年2月15日、本土へ戻る際にまたも潜水艦の雷撃を受けて沈没してしまいました。
12月5日に「タラワの戦い」の支援のために出撃していたクェゼリン環礁で空襲を受けるのですが、「長良」はこれが初めての大規模損傷でした。
それまでの2年間は熟練の兵士が「長良」の身体を守り続けていたのです。
この空襲により艦尾を切断した「長波」を曳航して「長良」は日本へ戻り、自身も修理に入ります。
この時同時に対空装備が増設されており、非制空権下でもある程度対抗できるようになりました。
しかし、さらに強くなった「長良」の活躍の場を見ることはできませんでした。
修理後、輸送任務を行っていた「長良」の命を絶ったのは、ある程度対抗出来るようになった航空機ではなく。海に潜む狩人である米ガトー級潜水艦 「クローカー」の魚雷でした。
天草諸島沖航行中に右舷に命中した、たった一発の魚雷に「長良」の老歴の体は耐えることができず、あえなく沈没してしまいます。
単艦での戦果よりも、旗艦として様々な僚艦を率いてきた功績こそが、「長良」を真に輝かせました。

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2024-04-25 13:57:26 +0000