ワムウ

りす民

以下は私のワムウに対する個人的な感想です。キャラクター含め誰かの発言を批判したり反論したりする意図は一切ありません。

柱の男のテーマがXで流れてきてふと2部を読み返したんですが、ワムウの魅力が凄まじかったので頑張って練習しようと思います。(また投稿するかは分かりませんが)
人間がかつて崇拝するような生命体、屈強な肉体から放たれる恐ろしく美しい風の流法、人間を下等だと認識しつつもプライドが高く敬意や友情などを重んじるという柱の中でも1番人間らしさが染み付いている精神性。ワムウの言動一つ一つに重く意味が乗っかっているようで、まるで哲学を見聞きしている感覚に陥りました。
その中でも私が最も衝撃を受けたのは、そんな誇り高きワムウが腕をもがれた時の虚ろな姿です。私のイメージの「強敵キャラ」は、自らが窮地に立たされた時に怒り狂い力が増幅したり、理性の枷が外れて暴走したりする破滅的な姿でした。しかし彼は精神を殺された側として描写されているのです。一万数千年生きた中で彼がどれだけの相手に勝利し、敗北したかは定かではありませんが、人間には実感できない永遠のような時間の中積み上げられた彼の誇りが根本から砕かれたあの一瞬の苦痛や絶望の、今まで生きてきた時間と同じかそれ以上の深さをあの虚ろな表情から感じました。敵なのに見ていてとても心が沈みました。あの一瞬だけワムウの勝利を願ったかも知れません。
しかしその悲惨な状況から立て直したのもワムウです。目を潰した時点で、彼が理解の及ばない存在だということを改めて気付かされるのです。主人公に一撃食らわされた自分への戒めとも捉えましたが、あれは紛れもなく昇華のための行動だと思いました。
ワムウの勝利への執念です。この人間臭さが好きです。悟っているようで悟っていません。死ぬまで負けを認めません。好きです。

#Part Two#Wamuu

2024-04-22 10:06:59 +0000