(ハルちゃんの様子がちょっと変だ。うーん…大丈夫か?)
そんなことを考えながら、ふよふよと浮かんでエッグを探しているピンクの綿毛を眺めていた。また気を失ったら危ねぇし、背中に乗ってもらってるほうがいいんじゃねぇのかなぁ?
そんなことを考えていると、
「!!危ねぇ!!」
突然曲がり角から飛び出してきたのは、見た事の無い虫ポ,ケモンだ。赤くて図体がデカくて…やたら、ムキムキだ。
こちらに気付いていたのか、ハルちゃんに殴りかかってくるところを間一髪で庇えた。こういう時のために足の速さを鍛えてんのよ。
「おいおい、出会い頭にレディに攻撃とかどーいう神経してんだよ!」
ハルちゃんを優しく地面へ降ろして、赤いデカブツへと向き直る。相手は喋らない。ブブブブ、と背中の羽を飛びもしないのに震わせて鳴らしている。
「こ、こわいポケモ.ンさんかなぁ?」
「分かんね、あんなヤツ見た事ねぇな。」
怯えているハルちゃんを背中の後ろに隠すように前へ出る。やんのか?とガンつけると相手は何やらポーズを取り始めた。
シャキーン
ムキーン
………なんだ????
どこからともなくスポットライトの幻影が見える。デカブツは何やら自慢げだ。
「…ははーん、分かったぜ。お前、自分の身体自慢を持ち掛けてんだな?」
ちょっと離れててくれとハルちゃんに促して、俺はデカブツの真正面へドシンと仁王立ちで立つ。
バッ!と右腕を上に勢いよく上げ、雷雲を頭上に喚ぶ。ドカーン!ピシャーン!!と俺の足元に落ちる雷。
電気をバリバリと纏わせ、俺はキメ顔をした。
相手もノってくる。ビルドアップで筋肉を一段と輝かせ、ばくれつパンチが俺の左腕を掠める。そしてまた先ほどと違うキメポーズ。
「やるじゃねぇか。」
ニッと笑って俺も次の手を打つ。
その様子を見ていたハルちゃんの目には、俺達がまったりとだがバトルをし始めたように映っただろう。
「わ、わ…!ラギラおにーちゃん、お助けするよ~っ!」
ほわわわ、とデカブツ目がけてねむりごなを放った。
が、そこに運悪く砂の混じる一陣の風が。
ぶわっと舞ったねむりごなは、俺とデカブツ両方に降り注ぐ。
……あ、ねみぃ。
「お、おにーちゃんにもかけちゃった~~っ!!」
ハルちゃんの叫びが、まどろむ俺の耳に遠く響いた。
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流れとしましてはこちら【novel/21932184】から…。
ギャグですね?ラギラが対峙したブーンさんはこんな感じらしいです。
♥お借りしました♥
ハル(ウィンディ・リング)さま【illust/115728374】
筋骨飛蚊【illust/117847997】
ラギラ【illust/115726162】
作品IDが奇数なら解放、偶数なら支配をつけさせていただきます。
※パラレルスルー可です※
2024-04-18 10:54:40 +0000