珈琲の香り 「こんにちは、冴子」

冴木 悠宇

「おや…誰かと思えば大樹じゃないか。最近お見限りだな、顔を忘れるところだったぞ」
「仕事が忙しくてね、それに…」
「なんだ、あの狐憑きの娘たちに振り回されているのか?」
「冴子、そんな言い方は…」
「ああ、すまない。ちょっと妬けているだけだ、気に障ったのなら謝るよ」
「いや、君にそんな気がないのはわかっているはずなのにな。こちらこそすまなかった」

「なぁ大樹」
「うん?」
「美琴さんの娘たちだ、見守ってやってくれ」
「ああ、もちろんだよ」
「ところで大樹、まだ時間はあるか?いい豆が入ったんだ」
「ありがとう。ご馳走になるよ、冴子」

【サクラとヒナとアカネとカスミ】

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2024-04-16 14:09:28 +0000