機種:シーフィアス
名称:リザルヴ
分類:惑星間輸送宇宙船
時代:2070年代
国籍:アメリカ合衆国
運用:ハイパースペース
製造:ハイパースペース
構成:1 x 「推進モジュール」
3 x 「推進剤タンク」
1 x 「供給モジュール」
2 x 「乗員モジュール」
打上:8 x 「カリーナ」
寸法:150m x 32m x 32m
質量:600t(乗員構成)
推進剤容量:3000t
搭乗者容量:250(LEO→LMO)
主機:3 x ハイパースペース「HD-3」核熱ロケットエンジン
熱出力:6.9GW
電気出力:5.0MW
推進剤:液体メタン
総推力:2.1MN
比推力:640sec
デルタブイ:9500m/s
月面とともに人類の開発の対象となった天体が火星である。火星は月面とは異なり地球に物質的な利益をもたらさなかったが、それゆえに大富豪や冒険家、新興国の政治家を魅了した。2040年代には少数の企業が火星移住事業を開始していたが、2060年代にはこれに多数の企業と国家が参入して火星移住ブームが到来。火星の地表には10以上の都市が建設され、2070年代初頭には火星の人口は20万人を突破した。また火星移住を目的に開発された閉鎖環境元素循環システム(CEECS)などの技術は地球や月面で使用される環境制御生命維持システム(ECLSS)にも応用された。
火星移住ブームを推進した技術のひとつが2040年代に実用化された核熱推進(NTP)である。推進剤を原子炉の高温で加熱して噴射する推進方式で、化学推進より高い効率で宇宙を飛行することができる。2050年代にはブレイトンサイクルを利用した発電が可能なNTP宇宙船が登場し、百人規模での火星移住が可能となった。特に2040年代から火星移住事業を行っていたアメリカ合衆国のハイパースペース社はいち早くに炉心温度3000Kの高温核熱推進(HNTP)の開発に成功。2070年代にはこれを搭載した大型惑星間宇宙船「シーフィアス」の運用を開始し、2年に1回のウィンドウごとに2000人を超える移民を地球から火星に輸送した。
「シーフィアス」は1機あたり250人の人員を輸送することが可能で、数か月におよぶ長期の飛行でも乗員の精神と身体の健康を損なわないよう娯楽設備や運動設備が充実している。核熱ロケットエンジンの推進剤には液体メタンを使用。液体メタンは液体水素と比較して比推力が低いが、密度が大きいため推進剤タンクの構造効率を高めることができる。また火星ではメタロックス推進系の補給インフラが優勢であり、これを利用することで運用コストを低減することができた。「シーフィアス」は数機単位で船団(フリート)を組んで地球から火星に飛行。事故や急病などの非常事態には人員や物資を船団内で融通することで安全な惑星間人員輸送を実現した。
2024-04-07 01:56:55 +0000