「さあ、それじゃ行くわよ!」
薫子の言葉を合図にラッシュが始まった。薫子の左右のフックが綾音の顔面を往復する。
成す術も無く打たれ続けた綾音の頭が左右に吹き飛び、彼女の口から徐々にマウスピースが押し出されていく。
二十発以上のラッシュの後、薫子は一旦手を止め、綾音の腫れあがった顔を眺めながら言った。
「あら☆、まだマウスピースを落として無いんだ?えらいえらい♪」
明らかに小馬鹿にした口調だったが、意識が朦朧としている綾音にそこまで考える余裕はなかった。
2024-03-29 11:23:32 +0000