未亡人加州清光の話



「忘れ得ぬ色」

審神者が若くして死んだ後すぐ、戦は一応の終わりを迎えたらしい。各々が自らの終わり方を選択する中、加州清光は閉じゆく本丸に残ることを選んだ。

彼女がこの世からいなくなった、もうあの弾けるような笑顔を、鈴を転がすような声を、見ることも聞くこともできなくなったと知った時、清光は取り乱して手がつけられなくなった。ようやく落ち着いてきた頃合いで、戦の幕引きである。

何もかもに、見捨てられた気がした。

だけど彼女の服に身を包むとき。その間だけは、すぐそばに彼女の魂を感じられた。すべてが静かに終わりゆく中で、それだけが清光の日々の糧だった。

ねえ。
聞こえる?
歴史の向こう側が、近付いてくる音。
もうすぐ会えるよ。
そしたら何を話そう。俺、…あんたに伝えたいことがたくさんあるんだ。

#Touken Ranbu#Kashuu Kiyomitsu#清さに#Touken Danshi/Saniwa#刀剣乱夢

2024-03-27 07:25:50 +0000