「ライナおねえちゃん! こんにちはー!」
リアカーに鎮座する花の値札をまっすぐに直していたライナの耳に飛び込んできたのは、弾むような元気な声。その声の方に目をやれば、のっぽのオlリlーlヴlァ――ノアに抱かれたままのコlジlオのキキがきらきらと目を輝かせこちらを見ていた。
「こんにちはキキちゃん、ノアくん!」
「こんにちは、ライナさん。広場のほうでお店を広げていると聞いたのでご挨拶と……」
「おにいちゃん! モモリのおはな!」
小さく可愛らしいピンク色のモモリの花。キキにとっては思い入れのある花でもあり、それが目に入った途端はしゃぐように声をあげ、挨拶をするノアの言葉を遮った。
そんなキキの頭を撫でながら、ノアは言いかけた言葉を伝える。
「モモリの花を頂きたいんです。今度は鉢も一緒に」
――頑張って自分の手で育ててみたいと思って。
そう綴ったノアの表情はどこか自信がついたような引き締まった顔をしていた。
「ライナさんのおかげで、ちゃんと切り花も長持ちさせられたので……!」
以前リーフ&ロックでプレゼント用に購入したスプレーカーネーションの切り花……ライナに教えてもらった通りにお世話したところ、しっかりと長持ちさせることが出来たらしくそれが彼の自信へと繋がっていたようだ。
その報告を聞いたライナは満面の笑みで「よかったー!」と、ノアの成長を一緒に喜んでくれていた。
***
「ライナおねえちゃん。こっちのあおいお花はなーに?」
いつの間に兄の腕から抜け出していたのか、興味津々に青い花――オレポーの花に顔を近づけぴょんぴょんと飛び跳ねているキキ。
そんなキキの前にゆっくりとしゃがみ目線を合わせたあと、ライナはそっと小さな星を抱きかかえた。
「これはオレポー。今頃から梅雨明けくらいまでお花を咲かせて、それが過ぎると花びらが落ちて……」
小さな子供でもわかりやすいように出来る限り噛み砕いて花の説明をしていると、横で一緒に聞いていたノアが何か思いついたようにぽつりと呟いた。
「オレポーの花びらやシロップ、離乳食にも使えるかな……」
「離乳食?」
離乳食とは、生後一歳半くらいまでの赤ちゃんが食べるご飯だが……まだ小さい子供とはいえ、キキはもうそれを食べるような歳ではない。誰のための食事だろうか……とライナが疑問を浮かべている中キキが兄に話しかけた。
「りにゅーしょくってなに?」
「赤ちゃんのための柔らかいご飯だよ。……もしこの花が離乳食に使えたら、二人分買っていきたいなーって思ってね」
”赤ちゃん”と聞いてピンッときたらしいキキが思い出した様子で慌ててライナの名を呼んだ。ライナはその呼びかけに「どうしたのキキちゃん」と彼女を撫でながら声をかけた。
「あのね! あかちゃんうまれるの! キキおねえちゃんになるの!」
思いもよらない報告を前にすぐには理解が追い付かなかったライナは、キキを撫でる手を止めてぴたっと固まるのであった。
***
リーフ&ロックさんの出店【illust/117003469】に兄妹でお邪魔させて頂きました!
ライナさんと出会い、モモリの花を購入させて頂いてから約一年経ったと思うととても感慨深いです…!
切り花の話はこちら【illust/112468753】
去年のモモリの花の話はこちら【illust/107148225】
※お借りした方々の行動を縛るものではございません。
※不都合がございましたら、パラレルやIF扱いでお願い致します。
お借りしました!
ライナさん
キャラシ【illust/106792058】
イベント衣装【illust/117003469】
うちの子
ノア【illust/106741989】
キキ【illust/106742125】
イベント衣装【illust/116999917】
2024-03-21 21:08:36 +0000