酸素・メタンの「汽水域」

楚星蘭三
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このところ、久しぶりに宇宙ネタの投稿を続けていますが、今回は、全球凍結していわゆる「スノーボールアース」となった地球において、液体酸素と液化メタンの海が混在する姿を描いた illust/83606343illust/83644728 からの派生です。

さてメタンの常圧での融点は −183 ℃、沸点は −162 ℃。一方酸素の融点は−218.9 °Cで沸点が−183 °Cですから、ちょうど気温-183℃を境にメタンは酸素に「海水」の座を譲り、酸素の海(明るいブルーで描いている領域)の上に、凝結したメタンが流氷や氷山のような姿で浮かぶことになると思われます。とはいえ、現在の地球でも気温0℃でいきなり海や湖沼が凍るわけでもないように、高緯度の洋上や、絵で示した陸地近くの浅瀬付近では、現実の「汽水域」のように液体メタン・液体酸素が混在する、帯状のゾーンがあると見ました。
ちなみに現実の「汽水域」では、塩分濃度が高く比重が大きい海水が下に、淡水が上にきますが、この世界観の「汽水域」では比重1.14の液体酸素が海水、比重0.43の液体メタンが淡水の立場になると思われます(1枚目下の概念図参照。なおこの概念図は、こちらの記事の図を参考にしました。https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/caea032524f1ee925b9c6ea4c60fcfdb694fd126)。両者の比重・色合いにははっきりと差があるので、1枚目囲みのコマのように、境界付近での液体メタン(無色透明)は液体酸素(薄い青)の上に油のように浮かんだ姿で見えるかもしれません。

2枚目はこの様子をより俯瞰的に描いたもの。メタンであれ酸素であれ、三態循環するからには雲を形成しますので、雷雲ができひいては雷が発生することもあるでしょう。すると… illust/83102774

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2024-03-14 02:56:55 +0000