特急幾星霜。永久機関とナノテクAI自動修復と自己進化改造技術による永遠不滅の特急である。薔薇特急という二つ名を持ち、走行時に周囲を薔薇の花で彩るというコンセプトの下、ナノマシンによる植栽も同時に行う。巨大なバラは劣悪な環境下でも繁茂出来るように幾星霜により遺伝子強化されたものである。上空の女性はホログラム投影であり、この特急の完成を祝して記念上演されたバレエ「そのバラはエトワール」のVRプリンシパルで、幾星霜の基幹システムにインストールされている。演目と振付とオーケストラを当時最高の必然乱数系芸術AI「億兆」によって無限に自動生成する事が出来る。彼女は最早いるはずも無い人々を楽しませる為に飽きる事なく無人の荒野を舞台に永遠に踊り続ける最後のやさしさである。文明崩壊後の地球に残った人類の徒花の1つで有ると言えよう。
2024-02-18 03:36:56 +0000