【以下はフィクションです】
時は1945年8月・・・___
戦争の激化に伴い、政府は首都機能を松代(長野県)に移転することを決定した。
時の軍部はポツダム宣言を黙殺し、"神風"を信じて戦争の継続を図ったのである。
そして、8月15日に終えることもできたこの戦争も、この世界線ではもう少し続くことになる。
この結果、広島・長崎に続いて、小倉・新潟・京都など日本の各主要都市が原爆の被害を受けた。
さらに、満州や樺太、千島列島は言うに及ばず、かつて日本領だった北海道や東北地方にもソ連の侵攻が迫った。
こうして東京の陥落が目前となった1946年3月、遂に列島南部より侵攻を開始した連合国軍と、北より侵攻していたソ連軍が東京・荒川で出会い、「エルベ川の誓い」ならぬ「荒川の誓い」が起こったのである。
1946年4月、太平洋戦争の開戦から4年以上の月日を経て、日本の降伏により戦争は終結した。
その結果、連合軍とソ連軍が、それぞれ日本列島を分割統治することとした。
松代に立て籠る旧政府幹部と皇室を尻目に、連合軍は日本列島の南部地域に吉田茂率いる「日本共和国」を成立させた。
一方のソ連は、列島北部に社会主義を国是とする「日本民主共和国」を成立させ、両国は戦後まもなくより分断の様相を呈した。
この分断は、連合国とソ連の共同統治とされた首都・東京が如実に示す。
東京は、西部を連合国によって、東部をソ連によってそれぞれ統治されたが、徐々に両地域の間に分断が生じ、遂には隅田川・荒川を境とする国境上に、「東京の壁」が築かれ、両地域の行き来は事実上困難となったのだ。
2024-02-16 10:17:01 +0000