11歳の気の弱い使用人

生きた化石

私は年季奉公として働く11歳の使用人だ。
気が弱く腰抜けで要領の悪さから叱られる事の方が圧倒的に多い私だが、
主人となる者は労働者への理解がある方で 主人側も使用人を過労で苦しめるのは帰って効率を悪くする事をわかっていた故か週に1日は休みがあり、理不尽に暴力を振るわれる事はなく、労働環境も劣悪な訳では無かった。
主人自体はものすごく恐い。

そこそこ裕福な家庭に生まれた私はどうやら歓迎されたものではなかったようだった。
既に後継ぎとなる者は決定づけられている上 優秀な者は複数居り、優遇されている一方で
一番後に生まれた上に女という立場の弱い存在、しかも虚弱で要領の悪さからか ある時は憂さ晴らしに、またある時は遊び感覚で親や近所の大人からも暴力を振られ続けた私は 8歳の時に売り飛ばされる事となった。
どうやら元々は口減らしとして消されていたかも知れなかったのだが、なんというか消すのにもコストがかかるとか何とかで コストカット の為に売買にかけられる事となったようでいずれにしても消されなかった事が 慈悲 によるものでは無いのは明らかだった。
8歳にして現在の主人の下、使用人として働く事となった。一日の労働時間は10時間前後だが体力をかなり使う上、かなりの低賃金労働だったがその代わりに衣食住には殆ど困らない程の暮らしは用意されていた。

#traditional#color pencil#使用人

2024-02-14 20:22:04 +0000