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西島 秀俊(にしじま ひでとし、1971年〈昭和46年〉3月29日 - )は、日本の俳優、声優、ナレーター。東京都八王子市出身。クォータートーン所属。既婚。
来歴
映画好きの父親の影響で幼少期より映画に親しみ、映画界へ興味を持っていた。特に作品に向き合う撮影所スタッフに強く憧れ、自身も裏方として携わりたいと考えるようになる。とにかく撮影所で仕事がしたいと考えていたところ、19歳の時に高校の先輩の薦めで受けたオーディションに合格し、そのまま俳優の道に進む。
1992年、大学在学中にテレビドラマ『はぐれ刑事純情派V』(テレビ朝日)で俳優デビュー。新人刑事の中上剛役で半年間レギュラーを務めた。
1993年には多くのテレビドラマに出演し、『わたしってブスだったの?』(TBS)での松田聖子を翻弄する年下の恋人役や、『悪魔のKISS』での新興宗教にハマる青年役、最高視聴率31.9%を記録した『あすなろ白書』(フジテレビ)での同性愛者の美青年、松岡純一郎役で注目を集めた。翌年、萩原健一主演の映画『居酒屋ゆうれい』で映画初出演。
デビュー時は渡辺プロダクションに所属し、1990年代前半には数多くのテレビドラマに出演したこともあり、若手の売れっ子俳優として人気を得たが、事務所が求めるテレビドラマを中心としたアイドル路線と、自身の目指す映画俳優としての方向性の違いから事務所を移籍。それに伴い1998年から2002年までの期間は民放のテレビに出演していなかった。
1999年、役所広司と共演した『ニンゲン合格』で映画初主演を果たす。長い昏睡状態から突然目覚めて生き方を模索する青年役を演じ、第9回日本映画プロフェッショナル大賞・主演男優賞を受賞する。第11回東京国際映画祭では『2/デュオ』と『ニンゲン合格』が上映されたが、主演作品2本の上映は東京国際映画祭初の快挙であった。
2002年、北野武監督の『Dolls』で主演に抜擢される。この映画への出演は西島のキャリアにとって大きな転機となった。
2005年の映画『帰郷』では、昔の恋人に子どもの父親だとして子どもを預けられて困惑するサラリーマンを演じ、第15回日本映画プロフェッショナル大賞・主演男優賞、第20回高崎映画祭・最優秀主演男優賞を受賞。
2006年、宮崎あおい主演の連続テレビ小説『純情きらり』で太宰治をモデルとした津軽弁の画家杉冬吾役をコミカルに演じ、お茶の間からの人気を得る。
2008年、小林薫主演の映画『休暇』では癖のある死刑囚を演じ、第30回ヨコハマ映画祭・助演男優賞を受賞する。
2011年、ラブコメディドラマ『僕とスターの99日』(フジテレビ)で韓国の女優キム・テヒとともにW主演。西島は本作品で民放連続ドラマ初主演を果たす。
2011年の映画『CUT』はイランの名匠アミール・ナデリ監督の作品で、第68回ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ・コンペティション部門オープニング作品・第36回トロント国際映画祭出品作品・第16回釜山国際映画祭出品作品である。これにより自身も数々の映画賞を受賞する。
2014年にはオリコン発表の「2014年ブレイク俳優ランキング」で第2位にランクインした。
2017年、ファッションデザイナーのジョルジオ・アルマーニからの指名により、ジョルジオ・アルマーニの最高峰ライン「メイド・トゥ・メジャー」の広告モデルに日本人で初めて起用される。2018年も引き続き広告モデルを務めており、4シーズン連続起用もまた日本人初である。
2021年には主演を務めた濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が、第94回アカデミー賞で日本映画として史上初となる作品賞を含む4部門にノミネートされた。西島も授賞式に出席し、本作品は国際長編映画賞を受賞した。また、西島の演技は米ニューヨーク・タイムズ紙がその年の映画を代表する俳優を選ぶ企画「Great Performers/The Best Actors of 2021」の1人としてアジア人で唯一選出するなど高い評価を受けた。同紙は選出理由として「西島の演技は鋭い批判的な知性を合わせ持っており、そのメランコリックで控えめな存在感が映画の重要なカギとなっている」と述べている。日本映画への出演で選出されたのは西島が初となる。
2023年春、ハリウッドの大手タレントエージェンシーと契約。
2024-02-05 15:48:36 +0000