キャプションが長くなってしまったので小説形式でも投稿してみました。novel/21361625
↓と内容は同じなのでお好みでどうぞ。
新年が明けた地球にて…
防衛チームAIASの司令、赤嶺の邸宅でも新年会が行われていた。
シルヴィア「ん〜 突き立てのお餅、お〜いしい。 あっ!赤嶺次は醤油餅ね!」
リーファ「もちもちしてて、不思議な食べ物ね〜。私はきな粉餅でお願いしま〜す。」
赤嶺「ハァ…ハァ…も…もう…腕が上がらん…。(ガクリ」
杵を手から落とし、大の字に倒れる哀れな男、赤嶺。
シルヴィア達に日本の正月を味わってもらう為に、張り切って杵を取ったは良いが、彼女達の尋常では無い食欲を見誤っていた…
赤嶺がついたそばから、餅は彼女達の胃袋にブラックホールかの如く吸い込まれて行くのでとてもじゃないが追いつかなかった。
事実、赤嶺が今ついた臼一杯の餅もブラックホールの如く上空に吸い込まれていき…
赤嶺「いや!ちょっと待て‼︎」
彼女達の食べっぷりをブラックホールのようだと形容はしても実際に彼女達がそんな能力を持っている訳ではない。
リーファ「きゃあああ!」
シルヴィア「私達のお餅が!」
シルヴィア達が食していたお餅も同様の被害に遭ったようだ。
上空をみれば、近隣の住居からも餅が上空へと吸い込まれて行き、悲鳴が上がっていた。
シルヴィア「もう!なんなのよ!赤嶺!リーファさん!追うわよ!」
餅を奪われて怒り心頭のシルヴィアを先頭に餅の行く先を追って行くと、そこにはまるで臼のような身体をした珍妙な怪獣がいた。
臼のような怪獣「(スゥ〜…)(バクバク…) ん〜!やっぱり日本の餅はうめぇだなぁ〜!」
赤嶺「なんだと⁉︎臼のみたいな怪獣が、餅を吸い込んでる⁉︎」
なんと!シルヴィア達が追ってきた餅は臼のような怪獣の口にまさしくブラックホールかの如く吸い込まれて行くではないか。
日本中の餅が消えた原因は彼にある事はもはや明確であった。
シルヴィア「アンタね!私達のお餅奪ったのは!」
リーファ「みんなから盗ったお餅を返しなさい!」
臼のような怪獣「やなこった!日本中の餅はこのオラ、『モチロン』がぜ〜んぶ食い尽くしてやるだ!」
餅泥棒の犯人、モチロンはシルヴィア達の言葉に耳を傾ける気は毛頭ないようである。
こうなったら、もはや…
リーファ「行くわよ!シルヴィア!」
シルヴィア「ええ!食べ物の恨み、100倍にして返してやりましょう!」
実力行使をする他なかった。
シルヴィアとリーファは人間態から本来の巨大なウルトラウーマンの姿へと戻り、モチロンと対峙する!
シルヴィア「さぁ!もう容赦しないわよ!」
モチロン「オラが餅を食う邪魔をする奴は許さないだ!」
戦いの火蓋は切って落とされた。
…
30秒後
…
モチロン「す…すびばせん…。もう、許してくだせぇ…。」
秒殺だった…
いかに力自慢のモチロンといえど1対2、しかも相手が食べ物の恨みで怒り心頭な彼女達が相手ではこうなってしまうのも自明の理であった。
シルヴィア「な〜んて事言ってますけど、どうします?リーファさん?」
リーファ「そうねぇ…?反省してるようだし許してげましょ。」
リーファの慈悲深い言葉にモチロンの表情がパァっと輝く。
リーファ「た、だ、し、みんなから奪ったお餅を弁償してからね。」
そうにっこり笑って言ってみせた、リーファの一言に希望に満ちていた、モチロンの表情が一気に曇る。
リーファの手にはいつの間にか、植物を操る能力で生成された、餅米の稲が握られていた。
シルヴィア「な〜るほどぉ。そう言う事ですねぇ。」
リーファの意図を察したシルヴィアは、ニヤリと笑いながら、普段は鋏の形であるが、自在に変化させる事が出来る自慢の武器『シルヴィシザース』を杵の形に変化させる。
リーファの方も超能力で一瞬のうちに手に握っていた餅米を脱穀し、炊き上げ、残すはつくだけの状態にした。
リーファ「あらあらぁ…。餅米と杵はあるのに肝心の臼が足りないわぁ…。」
シルヴィア「リーファさん!そう言えばコイツの身体って臼に似てませんかぁ…?」
モチロン「ヒッ…」
二人のウルトラウーマンはわざとらしくとぼけながら、モチロンに歩みよってくるのであった。
モチロン「ギェ〜ッ!」
…
シルヴィア「そぉ〜れ!ペッタン♡ペッタン♡」
リーファ「ペッタン♡ペッタン♡」
モチロン「ぐあぁぁぁ!頭がぁ!」
モチロンを臼にし、シルヴィアが杵でつき、リーファが合いの手を行う。
当然、モチロンの頭には凄まじい痛みが走る、自業自得とはいえ哀れなものである。
ピコンピコンピコン…
時間が経ちシルヴィア達のカラータイマーが点滅を始めても、いまだに解放される気配は無い。
シルヴィア(クン…クン…それにしても…)
リーファ(良い香りねぇ…)
つきたての餅の香りがシルヴィア達の鼻腔をくすぐる。
ぐぅ〜! きゅるるる…
シルヴィア、リーファ「「あっ…///」」
シルヴィアとリーファのお腹が盛大に鳴った。
ウルトラウーマンは地球上ではその巨体を維持するだけで莫大なエネルギーを消費する。
カラータイマーが点滅するほどエネルギーを消耗していた二人は空腹に陥っていた。
そんな状態でお餅の香りを嗅いでしまったものだからお腹が盛大に反応してしまったのであった。
ウルトラウーマンといえど乙女。周囲に盛大に鳴ってしまったお腹の音が聴かれてしまったのはやはり恥ずかしく、彼女達の顔はみるみると赤くなっていく。
モチロン「グヘヘ…でっけぇ腹の音だな! 」
二人の恥ずかしい音を最も近い場所で聴いていたモチロンは自分への仕打ちへのせめてもの意趣返しとしてからかった。
シルヴィア「…/// うるさいっ!💢」
リーファ「…/// 💢」
モチロン「イデェ!すびばせん!もういじらねぇから!」
もちろん、それが彼女達の怒りという名の火に油を注ぎ、更にお仕置きが苛烈になるという結果にしかならなかったが…
…
その後、出来上がった餅はAIASの協力もあり、被害者に無事分配された…
が…
リーファ「ん〜お汁粉も美味しい〜♪」
シルヴィア「お雑煮も美味しい〜♪ あっ…赤嶺!モチロン!お餅切らしてるわよ!」
赤嶺「今急いでついてるからもう少し待て!」
モチロン「ドウシテ…マダ…カイホウ…シテ…クレナイ…ノ…」
モチロンへのお仕置きは続行中であり、わざわざ人間大まで縮小された上で赤嶺家の餅臼として酷使されていた。
解放条件はシルヴィアとリーファがお腹いっぱいになるまでであるが…
赤嶺「ありゃまだ腹八分目どころか一分目にも達しておるまいな…。さて頑張ろうか…。モチロン君。」
モチロン「ウゲゲ… なんて大喰らい共だ…!アンタも大変だね… 赤嶺サン…。」
モチロンはもはや自分の境遇を嘆く事以上に、何も悪いことしてないのに酷使され続ける赤嶺に同情心が芽生え始めていた。
2024-01-08 13:22:38 +0000