『だって中学生になったときのためだって。小学生のころから学校以外の勉強をして』
『中学生になったらなったで今度は行きたい高校にいくためだって』
『それで高校生になったら大学に行くための勉強しないなんてありえないくらいの勢いで』
『でもいい大学に行ったとしても将来良い職につけるとは限らないでしょう?なんなんって感じ。』
ゆっくりふんわり遠くを流れる雲を見ながら特に考えなくそんな風に言うと、彼はまた曖昧に微笑しながらちょっと考えて
『でも自分の将来を良くするのは自分だから』
そうやわらかく諭すように応えた。
私(うち)は『めんどくさいな』など言いながらも彼の中にほのかな父性を感じた。
いつも寝ぐせつけてぽやっとしているくせに後からじんわり来ることを言うよね。とか言いそうになったが黙り、そのかわりに彼を観る。
2023-12-03 16:44:45 +0000