アーリーデイズシリーズ

生良〈感想がほしい
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第4話。生良です

長女堕天編も大詰め!という事で今回はリリスモン堕天の様子を描いてみましたヨ♪
とはいえ、GREE時代の線画再利用だったりしますけどネ(笑
以下、SSもどきです

金死「私の勝ちよ」
戦場にて。指揮官と思しきホーリーエンジェモンをねじ伏せ、その喉元に鉤爪を突きつけるレディーデビモン『金色の死神』
大天「くっ、なんて強さだ。私では敵わん…!」
金死「貴様ごとき、私の敵ではない…」
これまでに大勢の天使を倒してきた彼女を前に、死を覚悟する大天使。対する金死は
金死「答えなさい。彼女は…お前達の前の大将はどうした?」
近頃の戦いで、好敵手であるリリスモン長女に出会っていない。嫌な予感がした金死は目の前の相手に尋ねた
大天「私の前任の将?あぁ、あのリリスモンの事か…彼女なら、反逆罪で逮捕された。間もなく裁きがくだるだろう」
金死「裁きだと?何故だ」
大天「あぁ、敵兵と繋がっていた疑いがあるとかでな。スパイの容疑がかかっている」
金死「なん、ですって…!?」
嫌な予感は、的中していた
大天「神に仕える天使が敵と内通などと…最悪死罪、よくても堕天の刑だろうな。愚かな…」
ふん、と鼻で笑う敵将に対し、金死は
金死「確かに、救いようのない愚かさだな…貴様らは」
そう呟き、爪を引っ込めた
金死「今日は見逃してやる…早くうせなさい」
命拾いした大天使は、よろめきながら彼女の前から退却した
金死「リリスモン……」
天を仰いだ金死。その脳裏には、あの日自分に微笑みかけた、長女の顔が浮かんでいた…

裁長「被告、リリスモンのリリエル。お前は敵であるレディーデビモンの傷を治療した。間違いはないかね?」
長女「はい。間違いありません」
天界、天使達の法廷。反逆罪で逮捕された長女の裁判が行われていた
老A「神に仇なす行為!許されるものではありませぬな」
老B「多くの同胞を殺め、死神と恐れられる強敵を倒す機会だったと言うのに…裏切り者め!」
裁判長の問いに正直に答える長女。彼女に年老いた天使達から非難の声が浴びせられる
師天「お待ちください!リリエルは治癒と慈愛の大天使としての務めを果たしたにすぎません!罪に問われるいわれはないはずだ!!」
一方で、長女を弁護するのは彼女の師であり、育ての親でもあるホーリーエンジェモンのラファエル
老C「いくらなんでも敵将に、それも天敵にまで情けをかけるのはやりすぎであろう?内通を疑われるのも当然だと思うがね」
師天「貴様ぁ!我が弟子を愚弄するか!?」
目の前で愛弟子を貶され、相手に食って掛かる師天。そんな彼を同伴していたオファニモンのヒルダとダルクモンジャンヌが押さえる
長女「……」
一方の長女は、ただ黙って自らに向けられる言葉の全てを受け入れる
裁長「静粛に!どのような事情があったにせよ、戦場で敵を助ける行為は裏切りと見なされる」
裁長の言葉に、誰もが耳を澄ます
裁長「判決、被告リリエルを有罪、堕天の刑に処す。また、神のご意志に従い『リリスモンを暗黒デジモン種』とす!」
長女「ぇ……」
裁長が告げた言葉に、思わず声をもらす長女。みるみるその顔から血の気が引いていく
長女「おっ、お待ちください!リリスモンが暗黒種に、って…では私の妹達はッ!?」
裁長「お前の妹となる2つのデジタマは特殊なもの。はじめからリリスモンとして産まれるものだ。残念だが…」
長女の問いに、思わず目を伏せながら答える裁長
長女「そん、なっ…そんな、こと、って…ッ!?」
あまりの絶望に、その場に力なくへたり込んでしまう長女
女神「裁判長!今まで多くの仲間を救ったリリエルにこんな仕打ち…いくらなんでもあんまりです!!」
師天「異義あり!産まれる前のデジタマに罪はないはずです!そもそも、リリエルの罪だって…!!」
裁長「これにて閉廷!リリエル、私を恨んでくれて構わんよ…」
再び荒れる法廷に背を向けると、その背後で泣き崩れる長女に背中越しに呟きながら、裁長は扉の奥に姿を消していった

それから、しばらく後
長女「この門を抜ければ、私は堕天する…」
雲の上に位置する天界、その最端にある、門の前に立つ長女
この門をくぐれば、その身は地の底の暗黒界へと真っ逆さまに堕ちる。途中で引き返すことも、一度堕ちた者が上へあがることもできない、一方通行の門
長女「堕天するってどんな感じなのかしら?痛いのかしら…それとも、苦しいのかしら…」
そう呟きながら、両腕に抱えた、2つのデジタマに目をやる
彼女のデータをコピーして作られたこのデジタマは、通常のデジモンが進化を繰り返したどり着く過程を卵の中で経過するため、通常のものよりも孵化に時間がかかるものだった
長女「私はどうなってもいい…でも、貴女達まで巻き添えなんて…!」
ごめんなさい、と、ギュッと愛おしそうに抱きしめる
女神「リリエル…」
呼ばれた長女が振り返ると、幼馴染みの女神と師天が立っていた
長女「私への見送りは禁止のはずよ?」
師天「ふん、可愛い弟子を見送るのに禁止もなにもあるか!」
長女「もぅ…相変わらずなんだから」
吐き捨てるように答える師天に、思わず苦笑いの長女。一方で
長女「ごめんなさい、ヒルダ。貴女にもつらい思いをさせちゃって…」
ずっと泣き明かしたのであろう、腫れぼったい顔の女神に優しくささやく。そんな長女に、
女神「私より貴女でしょう!?リリエルってばいつもいつも他人の心配ばかりで…!敵を助けて自分が不幸になるなんて、貴女…バカよ!」
と涙する女神。長女は
長女「それ、あのレディーデビモンにも言われたわ…」
えへへ、と困ったように笑う
女神「ごめんなさい、リリエル。私、貴女を責めたかった訳じゃないの…どうか元気でね」
ひとつ深呼吸をして、別れの挨拶をする女神
師天「向こうでもがんばれ。お前ならうまくやれるさ」
師天も、長女に励ましの言葉を贈る
長女「二人とも…ありがとう。暗黒デジモンにも、仲間や家族を想う心はある。なら、きっといつか、わかりあえるはずよ」
二人に、長女は未来の希望を話す
女神「私も、貴女を信じてる。がんばって、リリエル!」
師天「お前は私の自慢の弟子だ。それは永遠に変わらんよ」
そんな長女を笑顔で送り出す二人
長女「本当にありがとう。ブリュンヒルダ、ラファエル…さようなら。必ずまた、会いましょう…!」
そう告げて、門の向こうへと羽ばたき、暗黒の世界へ堕ちていく長女
彼女の顔を覆っていた仮面はひび割れ、砕け散り…
純白の羽根はみるみる抜け落ち、代わりに漆黒の翼が生え…
美しかった金髪も徐々に黒く染まり、淡い桃色の衣服は紫に変色し始めた
女神「ああぁ、リリエル…リリエル~~ッ!!」
そんな幼馴染みの背中を見守る女神。その頬を、一筋の涙が伝り、落ちていった…

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2023-11-30 12:38:48 +0000