『過速隊 北へ、南へ(前編)』の巻

はるく先輩

「詳しく教えてくれないか?」そう言いながらムラタツ隊長は外部スピーカーに切り替えた。
聞きながらブジ隊員は即座に必要な情報を打ち込んでいく。
村立会長「最初の目撃例は北海道。飛行機程度の大きさだが、尾翼が無い事に違和感を覚え目で追うと微かに曲がったという。その後雲に隠れ見失った。次の報告は東北地方で『C』型に暫く停止していて後にゆっくりと開いていくというもの。他にも途中がくびれて見えたという情報もあってどうも捻ったりくねったりする事もあるようだ。イメージ的に”空飛ぶ大ミミズ”といったところか?以降、東京・関西・西日本・九州・沖縄と時系列で整理すると、南下後北上しまた南下と広範囲に渡っている。」
インプットされた電子計算機が各所の過速隊防衛システムレーダーの過去データをはじき出す。
長々と出てきた鑽孔テープに目を通しながらムラタツ隊長は回答した。
「各所のレーダーに一切の不審物の記録はない。その情報を信じるなら宇宙生物かステルス機の可能性があるな。」
村立会長「という事は、目視でないと捉えられないという事か。・・・どうだろう?うちの情報網を逐一過速隊に提供してもいいが?」
ムラタツ隊長「そうか?そりゃぁ有難い。好奇心旺盛な子供たちの方が、しがらみの多い大人より怪人・怪獣の発見率は格段に多い事は過去の事例で明らかだからな。全国のちびっこたちに協力してもらえれば百人力だ。よし、専用チャンネルを開設して共同戦線といこう。情報交換の取りまとめはそちらのお嬢さんたちとブジ君とで受持ってもらうとしようか。」
「やったぁ!過速隊とコラボかぁ。」電話の向こうでは歓喜の声があがる。村立会長が「こらこら。」と宥めている。騒ぎが落ち着くのを待ってムラタツ隊長が続けた。
「では、よろしく頼む。・・・しかし、そちらには大勢の女性がいて華やかでいいな。うらやましいよ。」
村立会長「いやぁ。うるさくてかなわんよ。」と言うがいなやジョーシャー・ガールズ達にもみくちゃにされている様子の中で「落ち着いたらたまには一杯やりにいこうや。じゃあ。」とそそくさと通話が切れた。
こちらでもブジ隊員が二言以上申し上げようと受話器を置くのをジッと睨んで待っている。どうも軽い気持ちで言った社交辞令のつもりが地雷となって、それを兄弟で踏んでしまったようだ。

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2023-11-28 08:37:21 +0000